アネット・ベニングとビル・ナイの夫婦、そして息子に今注目(私だけ?)のジョシュ・オコナー。
ロケーションが良い。
“Hope Gap”と呼ばれるイギリス南部の海辺の町。
断崖絶壁の荘厳さに白く荒い岩肌が美しくも物悲しい。
アネット・ベニング演じる妻は、確固たる持論と理想を持っていて、それに反することはことごとく否定する。
その考え方を夫や息子にも強要する。
う〜ん、これにはなかなか見ていてストレスを感じる。
結婚29目の夫婦に大きな気持ちのズレが生じていた。
理想を追い求めた夫婦が破綻をきたす。
夫は、ふたりは違う電車に乗り合わせ、それに気づかず29年間過ごしてしまったと言う。
正しい電車に乗ることを望む夫。
離婚を阻止しようと醜いほど抵抗する妻。
そんな激しい妻に、平手打ちを食らっても文句一つも言わない。「幸せにしてあげられなくてすまない」と詫びるビル・ナイ演じる夫。
なんて優しいのだろうかと感心してしまう。(私には無理)
あんな高圧的な態度では、夫婦生活でなくとも、どんな人間関係でも破綻するだろうと思ってしまう。
それをただただ見守るしかできない息子がいる。苦悩する息子をジョシュ・オコナーが繊細に演じる。
息子も恋愛や人間関係に少なからず悩んでいる。
ただ、もう少しその辺を掘り下げて欲しかったなぁという印象。
グレースが引用する詩。
エドワードのナポレオン軍兵士の逸話。
なかなか奥が深い。