彦次郎

燃えよドラゴン ディレクターズ・カット版の彦次郎のレビュー・感想・評価

4.6
犯罪組織のボスとなり少林寺の名を汚すハンを倒すべく格闘大会に参加する武道家の活躍を描いたスパイカンフー映画。
サモハンキンポー(序盤のキレのいいデブ)とジャッキーチェン(工場で戦うモブ)も出演しております。
世界的にブルース・リーの名を知らしめた作品ですが①主役が2人②日本人を叩きのめす場面が無い③ラスボスが老人で今までの作品より弱い印象等から香港では不評だった説があります。
個人的には
①賭博狂だが悪じゃない金髪胸毛、女好きで陽気なアフロとタイプの異なるメインがいる事でリーの異常なストイックさが強調されている。
②007の様なスパイ活劇風味にする事で歴史に疎くてもシンプルに分かりやすい。
③ハン役の方は当時60過ぎでも実際にはかなりの達人(逆にあそこまで動けるのが凄い)。追い詰められると左手の武器を付け替えたり鏡の間で暗殺しようとしたりと卑劣かつ神経戦を仕掛けるしぶとさは別のベクトルで手強い。
と考えています。
長々と述べましたが本作の最大の魅力はブルース・リーのキャラクター性がずば抜けている事でしょう。
怪鳥音と共に鍛え抜かれた肉体&技の数々で敵を倒していく鬼神の様はヌンチャクを振り回すシーン(他作品でもあるけど)と併せて男子諸兄の心に深く刻まれた事と推察されます。
ディレクターズカット版では師匠によるよく分からん解説がありますが、リー本人が弟弟子らしき若者に指差して叩きながら説明している真理も凡夫には理解不能。
この辺りが噛み合っての強烈な存在感は後世の漫画(北斗の拳など)やゲーム(スト2や鉄拳など)に甚大な影響を及ぼしている事からも伝説的作品と言えましょう。
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