カチューシャ

疑いの中でのカチューシャのレビュー・感想・評価

疑いの中で(2019年製作の映画)
4.0
チェコ映画を見るのは初めてだったかも。バーボフカも出てきて、雰囲気◎だった。雰囲気と私の大好きな東欧み、そして「おばあちゃん」と「家庭環境複雑boy」の描写がとにかく良かった。
スコアは全部その分。他はチープ。チープさが良いとも言えるんだけどね。

色々と説明しない映画や、チェコや東欧(旧ソ連のような貧しい共産圏)が好きな人にはぜひ勧めたい。あと、映画好きにも勧めたい。音楽とカメラワーク(特にオチ)のチープさが随所に散りばめられていて楽しいから。

ただ、役者さんは全然チープじゃない。ガリアおばあちゃんなんて近所に住んでそうな自然体おばあちゃんだったし、若者の方(イェンダと聞こえたけど、字幕はショーン)の不安定さなんて「何で犯罪に走るかなぁ」と不思議な事件の経緯を見せられた気分になったもの。

あと、アマプラだとちょっと訳が大雑把だけれど、翻訳した文章の原文を多少想像できる人であれば見るのに問題なし。

ストーリー性は薄いというか、よくある金目当ての事件の一つに+αで原題の「Klec (cage, 檻)」要素が加わった感じだから、サスペンスを見慣れた人にとっては味気ないかもしれないし、スコアもそう高くならないかも。でも人物描写を重視する人や東欧の雰囲気が大好きな人にはとてもおすすめ。

後味はほんのり悪い程度だったな。じわじわきそう。