ーcoyolyー

疑いの中でのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

疑いの中で(2019年製作の映画)
3.7
これは舞台作品の映像化なのか低予算が故の設定なのかよく分かりませんがほぼ老女と若い男性の密室劇。俳優の演技を楽しむタイプの作品で、物理と体育を教えていた元教師である女性の貫禄と若くて若さしか持ち得ないチンピラの不安や焦燥の対比が見どころで、これはきっと役者としてのキャリアが樹木希林的な女性を前にした若いイケメン俳優のドキュメンタリー的にもなる作品なんだろうなと思います。アメリカならジーナ・ローランズがキャスティングされそう。というかこの監督カサヴェテスが好きなのかな、観てる間妙にずっとジーナ・ローランズがチラついた。ジーナ・ローランズとサルトル『出口なし』が。サルトルの言う「他人は地獄だ」の変奏でもありましたね。変奏とすら言えない直球か。
こういう婆さんになりたいけど、こういう最期はちょっと嫌と思えるくらいの欲が自分にもあることに少しホッとした。

話の本筋にはほとんど関係ないところで、ちょっと話題に出たことでボストン大学がイエズス会の経営している大学だと私初めて知って、ほらカトリック系の学校育ちの皆さんお馴染みの日本のカトリック推薦最高峰上智大学と一緒ですよ!というのと塾が一緒だった男子がそのボストン大学に留学してたことがありまして、一時帰国した時に会ったりしてもボストン大学がカトリック系だということ教えてくれなかったの何で!?お前高校にせよ大学にせよ有名教育修道会の学校ばっかだな!と今超どうでもよいタイミングで知りました。そんでついでに冒頭の方で50年もその教区にいた神父が異動という設定があって、チェコではそんなに長く教区にいられるものなの?というのとカトリックガチ家系の友人の叔父が司祭として生まれ育った教区に戻ってくると毎週毎週ミサの度に老人たちが泣いている(その教会に通う古参たちは生まれた頃からその叔父さんのこと知っているから説教してる姿を見ると「あの子がこんなに大きく立派になって…!」と感極まるんだと)という話を思い出してしまってちょっと吹いた。私の学校、全国に姉妹校系列校散らばってるから頻繁に修道女異動してたし、何ならしれっとバチカン研修行ってきます、とかやってたので、とかそういうカトリック四方山話が脳内で止まらなくなってる。

私が初めて受けた人種差別って高一の時にイエズス会の修道士からされたものって話聞きたい?でも長くなるから今回は割愛。
ーcoyolyー

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