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Imagine(原題)のTnTのレビュー・感想・評価

Imagine(原題)(1987年製作の映画)
3.9
 真っ白い部屋で歌うジョンレノンもいいが、こちらの部屋を延々と横移動で追ってくスタイルも彼の観念的な世界を表現しているなぁと。

「扉を開けてまた扉、そのまた奥にまた扉!」じゃがたら-Big Door
人生に幾つも扉があるというのはポール・トーマス・アンダーソンが手掛けたRadioheadのMVでも観た。しかし、じゃがたらもPTAもどちらも開ける主体は変わらない。ただ今作は、扉から出て行き次の部屋に入る人と、その部屋に留まり続ける人がいる。だから、最初に出てきた子供が最後まで画面内に居続けることがない。ここで紡がれるのは、部屋と開け閉め、そしてそこを繋ぐ人々の繋がりである。人との繋がりという見えないものが見える面白さ。人間、知り合いの知り合いという形で6人繋げば誰とでも繋がると言われてるみたいに、繋がることこそこのImagineの歌詞に相応しい。

 最後のフレーズの「And the world will live as one」がビシッときまる。最後馬の糞を窓の外に捨てると、冒頭の窓からの少年に繋がるのは、人の繋がりではない生命の循環がしれっと描かれる。Talking Headsの「Road to Nowhere」のMVも近いものを感じる。
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