佐藤克巳

ラヂオの女王の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

ラヂオの女王(1935年製作の映画)
4.0
フィルムの状態が良くなく矢倉茂雄監督初見だが、当時のP.C.L撮影所やラジオ局、複葉機の飛行場等の情景が興味深く、玉手箱をひっくり返した様な愉快なロマンティックコメディの佳作。ラヂオの女王千葉早智子の愛くるしい笑顔は、後年の酒井和歌子を想起させる好演。一方恋人の飛行家宇留木浩は、監督もやれば脚本や撮影技師もやる多彩な才能を持つスターだったが、翌年狭心症で急死したそうだ。また古川緑波、笑いの王国の面々、その他寄席芸人が競って本芸満喫の贅沢感だった。
佐藤克巳

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