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あの娘の神様の消費者のレビュー・感想・評価

あの娘の神様(2019年製作の映画)
3.8
・ジャンル
ショートフィルム/コメディ

・あらすじ
ジャーナリスト志望の恋人にスパイとしてカルト教団“アージミラーク”への潜入を頼まれていた元ソープ嬢のリナ
世間を賑わせるその教団には教祖が女性信者と肉体関係を持っているという噂があった
決定的証拠を掴む為、彼氏は教祖と寝る様に頼み込むが彼女は拒否
リナは教団の幹部、森と恋愛関係になっていたのだ
そして彼氏は自身の事をバラされ森と信者達に樹海へと連れて行かれてしまうのだが…

・感想
元ソープ嬢のカルト信者女性を巡り彼氏、幹部、教祖の3人が競い合うショートフィルムのコメディ作品
本作と同じ監督の「うまれる」が素晴らしかったので鑑賞

尺が10分超と短く早々にコメディ展開へとなだれ込んでいくのでショートフィルムというよりコントっぽかった
「うまれる」とは違いシリアスな空気が薄く、男3人も誰のチンポが大きいだの何だのと言い争うなかなか下世話な内容
しかしその3人を手玉に取っていた魔性の元ソープ嬢リナもまた同じ様に愚かである事がラストで明かされ、単純に男をバカとして描いている訳ではない事が分かる点が個人的に良かった

メインの登場人物4人はそれぞれ違うベクトルにクズでバカ
でも現実の世間を見ていると似た様な大人は正直少なくない
そういった点で社会の縮図を短時間で分かりやすく見せているという部分では「うまれる」にも近しい物があるし恐らく監督が得意な事なんだろうなぁ、と思う
加えて本作に関しては東京03を風刺的にした様な内容なのでお笑い好きにもハマりそう

そして何より良かったのがくだらない内容ではあるけどしっかり笑える事
特にホーリーネームの意味を教祖が暴露するくだりはしょうも無さすぎて好きw
また舞台が樹海だったりホーリーネームの存在や信者達の衣装だったりとあからさまにオウムをモチーフにしているのも麻原が“ダーキニー”と称して教団内に愛人を作りまくっていた事を考えるとピッタリだった
カルト=オウムという安直な発想の作品がちょくちょくある中で本作はチョイスとして的確だったんじゃないかな

とりあえず田中聡監督には今後も期待したい
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