シリア難民の問題を描いた短編。
短いながらその重さがギュッと詰まっていて、短編とは思えぬ雰囲気がある。
スイスに身を置く難民家族の妻が亡くなった。
家族の住むスイスの地で、イスラム教の慣しに則りメッカに向けて埋葬したい。
だが地元の墓地では、希望通りの埋葬は難しく、スイス人の友人ロリがなんとか取り計らおうとするが、次から次に問題が浮かび上がってくる。
難民は生きていくだけでなく、死んでからも問題に直面するのかと…宗教の問題も難しい。。。
難民に寄り添う。
遺族に寄り添う。
宗教に寄り添う。
神に寄り添う。
隣人に寄り添う。
夫に寄り添う。
ロリみたいな人を旦那に持つ奥さんは大変だなぁ…と正直思ってしまうが、奥さんも苦い顔をしながら、旦那に寄り添う姿が実に優しいなぁ✨
自分よりも他人に尽くしてしまう旦那を、心から案じているのが素敵✨
自分よりも旦那を。
自分よりも隣人を。
自分よりも亡き妻の魂を。
問題は重いけど、優しい人たちがいることがなんだか救い。
子供たちの目線や言葉もなんだか印象的✨