短編とは思えないほどのボリュー厶
重厚な作品だった。
エジプトを目指しクルーズ中のスイス人夫妻。
睦まじいバカンスに遭遇したリビア難民のボート。
人が溢れ、全員を乗せればこちらが転覆してしまう。
夫は見過ごす、妻は救出しようと意見が分かれるが。
翌日助けた夫婦に向けられる嫌な表情の「ありがとう」と「昨日助けなかった」の非難。
通報する夫の判断は常識的だと思うけれど何が正解なのか立場によって違う。
自国に戻れば逮捕されると海上隊を拒否する難民達と、縛られヨーロッパに連れて行けと責められるれる夫婦。
ヨーロッパについてしまえば夫婦は犯罪者になる。
「救助」が「ジャック」に変わる
不安を正義感で押して命を助けたのに。
相手からは「敵」と見なされる。
死と隣り合わせに海を渡る人々と気楽なバカンスを楽しむ夫婦
環境が違うだけで対照的などちらも同じ「人」だ。
ラストの少女の強い眼差しが印象的だった。