牛猫

ビックシティの牛猫のレビュー・感想・評価

ビックシティ(2016年製作の映画)
3.0
都会に馴染めない孤独なタクシー運転手と客として乗ってきた酔っ払いの男の束の間の交流を描いた話。

程よく都会で程よく街が煌めいていて、メルボルンの夜の街の雰囲気が良い。
欧米が舞台の映画で右ハンドルなのが新鮮だったし、客が助手席に乗るのも向こうでは普通のことなんだろうか。オーストラリアにそんな治安の良いイメージないから変に心配してしまった。

とにかくタクシー運転手の表情が印象的。最初は警戒しながらも徐々に打ち解けていくにつれて表情が柔らかくなっていくのが微笑ましかった。髭を蓄えた顔と頭にターバンを巻いていることから、恐らくアラブ系の出身だと思われる。異国の地で孤独に耐えながらも家族のために身を削っている中で、やっとできた友達だと思ったのに、あんな経験したら心が折れてしまいそう。
最後の諦めたような表情が切なかった。あの結末になることは旅の途中から想像していたのかもしれない。

その場限りの出会いだったとしても、信じてくれた人を裏切るのはよくないし、そういう行為はいずれ必ず自分に返ってくるだろう。
牛猫

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