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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのmizukiのレビュー・感想・評価

4.9
このずっと続く序章感がたまらなく好き!ずっと人生これからだよね!って言っていきたい

性別は記号でしかないし、体は器でしかない。人の本質は、脳、心、魂…その辺は人によって表し方は違うと思うけど、つまりそういうものなんだと思う。物事の本質を語る文章は、性別の情報が薄くなり、ただその人らしさを色濃く表す媒体になるのでは。
もちろん、「どうせ女に生まれたのだから、女として人生楽しみ尽くしてやる!」という気持ちはあるけど、同時に、ただ 女 という記号で認識される体を引きずって生きてるって思う。私は女である前に人間だから。
女だから男しか愛せない、とかは絶対ないってことと繋がるかなあ。レズの主人公が、女性であるアスターに恋して愛するのと同時に、男性であるポールにも愛を持って、夢を応援し尽力するその姿、なんかめちゃくちゃ正しいっていうかわかるっていうか。目の前の大事にし合える人を愛することを、躊躇う必要はないと思う。でも恋は生理現象であって、どっちかというと男性の方が好きとか、女性の方が好きとか、それは生まれながらにして、なんとなく決まっていると思う。だから、大事にし合えるかつ直感で惹かれる性の人を好きになるのかも。
だから、勘違いしてキスしちゃうポールも正しいと思う!ちょっと彼は直感で動きすぎなところあるけど(笑)手を繋ぐとか、ハグとか、キスとか、ちゃんと体を使って愛情表現していくの本当に大事だと思う〜〜。なんか昨今、触れることが蔑ろにされがちな風潮がある気がして…それには反対〜。人として大事にする=触らないようにする、は違うだろ。

哲学者からみた「愛とは?」の答えが劇中にいっぱい出てくるけど、蹴散らしてくの最高だった(笑)哲学者たちの言葉を鵜呑みにして、愛をわかった気になるのだけは絶対に嫌。「いつか愛をわかるようになりたい」って一生思いたい。愛の実態を掴もうとする努力、愛する努力、愛される努力をしてたい。偉人の言葉を胸に生きるのはいいけど、わたしも主人公みたいに、自分の言葉を胸に生きたいなあ。哲学は脳の数だけあると思うから、違う人生を歩んできた誰かの言葉に従う必要なんてないんだと思うなあ。
んー、じゃあ私が今思う愛は、柔軟でいることかなあ。世の中いろんな人がいて、しかも流動的。みんながみんな、思考をそのまま表す言葉は喋るわけではないし、思考すらどんどん変わっていく。昨日言ってたことと今日言うことは矛盾することだっていくらでもある。自分と他人の、変化する自由と表現する自由を受け入れることが愛だと思うなあ。
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