じろう

サーカス・オブ・ブックスのじろうのレビュー・感想・評価

サーカス・オブ・ブックス(2019年製作の映画)
3.5
80年代多くの同性愛者に愛されていたゲイポルノ店を営んでいたジューイッシュ夫婦のお話。を娘が撮ったドキュメンタリーです。

夫婦の商才には驚かされるんだけれど、アダルトショップをただのビジネスとして割り切って働けているマインドがすごかった。
特に奥さんは、敬虔なジューイッシュの方で、ユダヤ教だと同性愛は嫌悪するものとされているらしく、単に仕事と思えば飲み込めたんだよね。そこに自分の息子がゲイであると知ってからの信仰している宗教からくる彼女の苦しみは相当だったろうなというのが見てとれた。

息子へのインタビューが印象的
娘が「私に話してくれればよかったのに」に対して「君の世界はあまりにゲイすぎてアートすぎた。その世界には違和感がある。」と言っていたけれど、ごく一般的に意識せずに同性愛者は存在しているわけだしその感覚も伝わるべきだと思った。

お父さんの底なしの愛情や心の広さにもぐっときた。
また、奥さんも一度は拒絶してしまった息子を今一度宗教を学び直し咀嚼して、胸を張って息子を受け入れ寄り添う様子に感動しました。自分の両親にもこのパレードを見て欲しかったと言うような発言もよかった。

娘が撮っているから、こんなにも暖かいムービーになったのだろう。
面白いとかというより、社会勉強のようなドキュメンタリーでした。

弟にこないだペアーズ1ヶ月分をギフトで送ってしまったけれど、こういうのももしかすると暴力になり得るんだよなぁ…と少しおねえちゃん心配になっちゃった。
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