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ジオラマボーイ・パノラマガールのshunのレビュー・感想・評価

3.7
「ジオラマボーイ・パノラマガール」

滝澤エリカを発見できたことが大収穫です。
最初は青春映画によくいる親友ちゃんかなあとしか思っていなかったんですが途中から一気に存在感が出始めて終盤はこの子目線でこの映画を観てしまっていました。

この方はこれが映画初出演だそう。とても印象的なキスシーンがあるのですが彼女にとってはこれが初キスシーンなのか!なかなかすごいですね。

この映画で一番好きだったのはエンディング。主人公と関わりのある三人(うち1人は滝澤エリカ演じるカエデ)がどこかの屋上から景色を見ながらひたすら自由に話すのを背景にクレジットが流れる。
メイン2人不在のこの雰囲気が好き。この映画に限らず「普段だったら他人同士の人たちの人生が主人公を介して交差する」ってのが大好きなんですがこのラストの3人の関係ってまさにそれ。「主人公の親友」と「主人公の妹の親友」これって近いように思えて実生活で交わることってあまりない。だからそういうのを可能にしてくれる映画と出会うと嬉しくなります。

この映画自体そういうのをテーマにしていて、違う高校に通いながらもひょんなことから交差する2人をメインに描いています。でもこの2人の正直終盤の話の運び方はあまり好みではなかったかも。山田杏奈は可愛いんだけどね。
この2人の世界は最後まで平行線でもよかったんじゃないかと思う。

この映画は独特の世界観を持っていて、現代なのか数十年前の日本なのかよく分からない。2020五輪ロゴがあるけど最新の電子機器は全然出てこないし主人公たちは昔の歌手が好きらしい。パラレルワールドなのかもしれないですね。

女子3人組や主人公家族の慌ただしさなど、そこまで違和感を覚えない自然さなのがよかった。あとは成海璃子さんの姉さんっぷりも好き。
そして森田望智!こういう役ほんと似合うなあ。絶対に主導権は自分にある感じが好きです。去り方も面白い。
あとは外国人労働者の彼も印象に残った。

思い返してみるとメインの2人よりもサブキャラの個性の方が光ってた映画だったのかも。

以下滝澤エリカさん情報です。
最近できたばかりのダンスボーカルグループの1人だそうですがそんなのに留めておくには勿体無い!事務所さん女優としてのキャリアも育ててあげて〜と思いました。
一昨日この映画観てから彼女のことをたくさん調べたのですが同じく瀬田なつき監督の「Homestay」にも端役で出ていたそう。(エンドクレジットに名前が)
それに加え蓮沼執太と羊文学のボーカルがコラボした曲のMVにも出演していましたがこちらも瀬田なつき監督。気に入られてるみたいですね、将来主役抜擢もあったりなっかして…と今から応援しておきます。
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