HiroyukiNihei

TITANE/チタンのHiroyukiNiheiのネタバレレビュー・内容・結末

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『RAW〜少女のめざめ〜』で鮮烈なデビューを飾ったジュリア・デュクルノー監督の長編2作目。カンヌ映画祭でパルムドール受賞という快挙。この目まぐるしい勢いに驚愕し,本作では圧倒された。序盤の“痛い“演出には,主人公の狂気と相俟って衝撃を受けた。予測不能な展開に息を呑み,それは,主人公とヴァンサン役の「自分を見失った」ような感覚を追体験させるような演出によるものであろう。一見粗野で,刺々しくて荒っぽい感情に駆られているが,盲目的な愛にも感じられる。この内なる意識を,炎と金属(チタン)に反映させ可視化させている。主人公がその愛を深く感じるほどにお腹も膨らみを増していく。鑑賞後の余韻は前作とは全く異質ではあるが,またすぐに観たいと思わせる独特の雰囲気に包まれているのがデュクルノー監督の映画なのかもしれない。
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