まめまめちゃん

TITANE/チタンのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.2
女性は常に痛みを伴い痛みが当たり前として生きている、と私は思う。痛くても誰かのために立っていることを知らず知らず強いられていると感じる。
この物語は最初から最後まで、女性の人生を極端に表現したかのように、痛い。

体内、脳内にチタンが入ってる人なんていくらでもいる。
だから本作の頭蓋骨の繋ぎ目に使われたチタンは何らかのメタファーに過ぎない。
アレクシアのサイコパス気質も妊娠も結果であり現実である。チタンが原因のはずがない。
よって単純な対物性愛の物語でもない。
普通の人間と人間の愛の物語だったと思う。

おそらくは親との関係に不具合があり、それによって対人関係にも支障をきたし、消防士としてマッチョに生きること&子供に執着した男と共依存関係→お互いに無償の愛を与える関係となるということをね、これほどまでにお互いを痛めつけ傷つけないと表現できないものなのかなとは思った。

劇伴はアレクシアのテンションを直接表しているようであり、なかなかの選曲。

謎なのがチタンを冒頭に使った理由だが、ギリシャ神話のタイタン=地球最初の子供、という説が妥当なのかな。想像の域を越えず。

追記
手術のシーンをはっきり覚えてないのだけど、
あのくらいの子供の頭蓋骨を合わせるのに、
あんなデカいプレートは使わないのでは。
だって子供の骨は大きくなるし、脳も大きくなるのだから。
その繋ぎ目のせいで成長過程で脳に傷でも入り発達や情緒に不具合を来したのだとしたら、女の人生を描く説が変わってきてしまうな。