全く好きではない。
全く好きではないのに、頭が映画から離れようとしない。
自分にとって「良い作品」は、好きだと感じるものと、頭から離れないものの2種類ある気がしている。
この作品からは、作り手の意図を感じとる隙がまるでない。難解すぎるというのもそうだが、それ以上に強烈な画が脳を支配するからである。
何かを伝えたい作品からは少なからず何かが伝わってくるし、世界観を共有したくい作品からは作り手のエゴのようなものが伝わってくる。ほとんどの作品は、何かしら作り手の意図が伝わるものである。
この作品からはそれを感じられない、寧ろ感じさせない圧力を感じる。だからこそ、その奇妙さが頭から離れないのだ。
自分は試されているのか？
観る者に委ねているような、いや、委ねていると言うより、お前がこっちに来いと言われているような、何ともそんな感覚。
面白かったのかどうかも分からないが、少なくともガンガンに刺激されるヤバい時間であった。
この感覚が、時間が経ってどう育っていくのかが楽しみである。
