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TITANE/チタンのmegurosのネタバレレビュー・内容・結末

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

(あ…ありのまま今起こった事を話すぜ…)

車との性交によって妊娠した連続殺人鬼ポールダンサーのアレクシアは指名手配され逃走する先で、消防署の隊長から”行方不明の息子”となぜか勘違いされる。アレクシアは身を隠すためサラシを巻いて消防士として活動、出産する…という話。

子供の頃から車に憧れていた少女は交通事故によってチタンプレートを頭に埋め込まれることで自分が憧れていた機械に近づく。連続殺人は人間の否定、逃走のために顔を壊して人相を変えるのも、さらしを巻いて身体の形を偽るのも肉体の否定と言えるのか。車との性交による”妊娠”は、むしろ自らの肉体を強く意識せざるをえないものであり、自身の機械性から遠ざかるものではありながら、肉体性との闘争の先に生まれた子供は背骨がチタンになっている。これは人間の機械化が世代をまたいで進んだと捉えられるのだろうか。AIの暴走による人類絶滅とは異なる、出産するサイボーグが人類を狩るような危機のビジョンなのだろうか。

男だと思っていた仲間が消防車の上でストリップダンスしだして、会場ドン引きの場面が個人的にはクスりときました。
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