にゃっぷ

TITANE/チタンのにゃっぷのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.8
いい。荒唐無稽の世界にちゃんと入れる。異形を描くと言えばクローネンバーグやらもあるけど、女性監督だからとは言いたくないが、痛さがちゃんと入ってくるし、映画世界に誘われる。そんな芸当なかなかできないんでそこらの監督に。車と女とセックスて男性性の頂点みたいなアイテムを反転させてるわけで、主人公のサイコパスっぷり、設定、マチョイズムの象徴の消防士とか男じゃなかったらを徹底追求してますけど、何か?って感じ。
ちなみに、オトコの方が肉体的痛みと肉体的グロさは弱いしリアリティないってのは、長年女たちが慮って言ってなかっただけである。毎月律儀に股から出る血の塊。それに伴う歩けないほどの猛烈な腹痛。血がでた穴から孕まされた腹の中には別の人間、それが穴からまた出てくる。乳房から多方向に向けて飛び散る乳。痛いと泣き叫ぶのはだいたい男の子で、女の子は演技で痛いという。なぜに男の子はこんなに弱いのかと世の母親たちは、男の弱さに諦めてこの世を作ってる。
そんなことも考えさせる秀作。
で、フェミニズムの観点からグロ映画を反転させていく試みは世界のバランスとしてやった方がいい。