えいみー

オールド・ガードのえいみーのレビュー・感想・評価

オールド・ガード(2020年製作の映画)
3.9
いい。なんかいい。すごくいい。
切なくて美しくて味わい深いアクションで、とにかくいい。

ここのところ、仕事で積み重ねてきた疲れを吹き飛ばしたくて「とにかく明るくご機嫌!いけいけごーごーバディもの」ばかり鑑賞してきた。・・・が、さすがに飽きてきたので美しいものを目にしたいと思い、おシャーリーズ・おセロン様を選ぶ。

「数百年経ってもなぜか死なねぇ」系は他にも多くのカテゴリの中に多くの作品がある中でも、本作はアクションと位置付けられているわけだけど、ただ単に「不老不死のジェイソン・ステイサムが、なんかすっげぇ大暴れして、悪を倒す話」にしないのがいい。あえてのシャーリーズ・セロン様が、エイリアン3とか4のシガーニー・ウィーバー的切なさを抱えているように見えて、なんかいい。

遺される者たちと遺す者たちとの関係性や、それぞれの孤独さや、資本主義に立ち切った悪役のキャラクターを、面倒がらず丁寧に描写されているのがいい。そして「うら若き女性新人」の存在を通して、この混とんとした世界観に道標を示し、不老人間がありありと感じる苦しみと、抱えきれぬ罪悪感の重さが知れていい。それでいて、大々的に一人ひとりの人間ドラマを見せつけず、ごく自然に伝えてくれるのがいい。

私、こういうの好きだなあ。なぜもっと早く観なかったんだろう?
えいみー

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