無何有郷

ジュ・テーム、ジュ・テームの無何有郷のレビュー・感想・評価

3.8
アラン・レネの知られざる傑作。政治闘争真っ只中の68年というタイミングでカンヌが中止になったばかりに不幸にも日の目を浴びなかったが、近年再評価が進んでいるらしい。『去年マリエンバードで』とかよりクリスマルケルの『ラ・ジュテ』を真っ先に連想した(実際シナリオとかも助言受けていたっぽいし。)作品全体のトーンはかなり暗い、絶望的ですらある。戦争が落とす影の中、愛という記憶を辿って、たとえその過去というのは常に現在から再構築されるものではあっても、それでも、自殺によってしか抗えなかった。ちなみにこのカトリーヌの女優さん、後に(97年) 本当に自殺してる…..
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