からかす

ジョン・ウィック:コンセクエンスのからかすのレビュー・感想・評価

3.5
キアヌが絶対殺すマンとなって苛烈に戦う
「ジョンウィック」シリーズ4作目。

さて、169分の大ボリュームの本作。
久々にアクション疲れをするほど
アクション純度が高い。
正直3作目とか話の規模を広すぎてイマイチ…と
思っていたのだがここまでやるなら天晴れといった所。
特にガン・フーと呼ばれる銃と体術を合わせた格闘術が
防弾スーツを自分も相手も着ている前提の形で
より洗練されていて見応え十分。
他のアクション映画とは明らかに異なる
オリジナリティのあるアクション映画になっている。

で、キアヌも真田のオヤジもすごくカッコいいし
Mr.ノーバディやアキラちゃんも好きなキャラなんだけど
なんといってもドニーイェンが最高。
娘想いで情に熱く盲目なのにとびきり強い、
「敵は全員殺す」スタンスの人しか出ないシリーズの中で
数少ない必要最低限の殺ししかしない人格者(?)であり
飄々としながらもスマートな立ち振る舞い
こんなの好きになるに決まってるじゃないか。
盲目の殺し屋なんていうと
相手の気配を読んでまるで見えてるかのように戦う
というのが定石で、本作もそれが無いわけでは無いものの
盲目でも戦うためのギミックと格闘術が
ちゃんと描かれているのが評価高い。

「ジョンウィック」シリーズの魅力の一つである
殺し屋独自のコミュニティ
コンチネンタル関連の世界観は
本作でも健在…なんだけれども
正直2作目くらいまでの規模感で個人的には十分なので
169分はやっぱりちょっと盛りすぎな印象。
というか本作で出てきた古来のルールが
あまりにも都合が良すぎるルールで
露骨に話を畳みに来た感が強い。
あと今回の悪役って報いを受けるほど悪いことしたか?

演出的にも今回また新しい嗜好として
終盤の俯瞰視点でのワンカットガン・フーアクションは
これまたオリジナリティがあり見応えたっぷり。
とはいえ個人的な好みとしてはシリーズお馴染みの
これでもかとボロボロになりながら戦うシーケンスなので
レイヴ会場や階段落ちのシーケンスの方が好きかも。

とりあえずこれにて
愛犬を殺されたジョンの長い旅路は
一旦区切りを迎えたことに。
今後はスピンオフもあるようなのでその辺も楽しみ。

上映前にわざわざ前3作のダイジェストをやるっていうのは
本当に好きじゃない。
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