『友情は、仁義は、掟より重い』
(若干のネタバレ含みますのでご注意ください。)
まずは日本が誇るアクションスター、真田広之の奮闘に敬意を。
コンチネンタルホテル大阪の支配人としての風格は十分、刀を振う姿は武士そのもの。
掟を破ったジョンを友情に基づき迎え入れるその姿勢は闇の世界にあってなお誇り高く気高かった。
さらに香港映画界のアクションスター、ドニー・イェンの見事な大立ち回りに感服。
盲目の暗殺者を演じた彼、見えないことをしっかり観客に意識させる動きながら、実は見えているのではと思うくらいの繊細でダイナミックなアクションに目を奪われる。
ジョン・ウィックを演じるキアヌ・リーヴスの存在感が揺らぐほどの2人の圧倒的な存在感に驚嘆。
一方キアヌ・リーヴスは今作でも変わらずの不死身ぶり。今作でも新たな〇〇・フーを見せつけてくれる。
キアヌの日本語のセリフを聞けたのも嬉しいポイント。
これだけの濃密な、本物の立ち回りを見せてくれるアクション映画が今どれほどあろうか。
ラストの決闘シーンはどこか西部劇の香りもするようなシビれる展開で大満足の出来だった。
しかしながら…。
やはりアクション映画で169分は長すぎる。
カットするべきところは削っておくべきだったのでは。
凄まじいアクションも時間が長引けば単調に感じてしまうのが残念なところで、キル数を稼ぎたいのはわかるがせっかく豪華キャストを揃えたのだから雑魚敵との戦いはある程度削って、ドラマパートをもう少し増やしても良かったと感じる。
また、賞金稼ぎの追跡者(トラッカー)の必要性が微妙。
今作のテーマはコンセクエンス(報い)なのだから、例えばジョンがコンチネンタルの掟を破ったことで結果的に報いとして命を落としたコンシェルジュのシャロンと友人だったとか、はたまた兄弟であったとかで、ジョンを付け狙う理由が賞金以外に欲しかったところ。ただ賞金額を吊り上げる、または犬使いを出したいためのキャラならばバッサリ削って上映時間を短縮すべきだったかと。
なんだか少し批判的なレビューになったが、全体としては大満足であり、あるかもしれない幻の第5作も願わくば…と思う最高のシリーズであった。
Amazonプライムビデオで配信開始したスピンオフドラマ、またアナ・デ・アルマス主演のスピンオフ映画『Ballerina』とまだまだジョン・ウィックワールドを楽しみたい。
最後に、急逝されたコンシェルジュのシャロン役のランス・レディック氏に哀悼の意を。
貴方が演じたコンシェルジュは気品漂う最高の友でした。素晴らしいキャラクターを演じてくださりありがとうございました。
IMAX特典のポスター、エッフェル塔をバックに歩みを進めるジョンが最高にcool！
あと、勢い余って、コンチネンタルホテル大阪仕様のロックグラスを買ってしまった…。
もしかしたら、劇場でパンフレット以外のグッズを買ったの初かも。
