てっぺい

ジョン・ウィック:コンセクエンスのてっぺいのレビュー・感想・評価

4.0
【結びの映画】
“ガン・フー”という新アクションを見出してきたシリーズの最新作は、様々な“フー”のオンパレード、さらに日本が舞台と見応え満点。“報い”の他に“結び”の意味もあるコンセクエンス。そのラストに衝撃を受ける。

◆トリビア
〇キアヌ・リーヴスは、本作のために1年かけてヌンチャクをトレーニング、ドライビングテクニックを鍛えるために5か月の特訓を重ねた。(https://johnwickjp.tumblr.com/)
〇キアヌ超いい人伝説がある笑。本作での撮影スタジオの近隣に飲食店がなかったことから、キアヌが全員分のケータリングを毎日用意。また、参加した全スタントマンに柔術着を配った。本シリーズにずっと関わっているスタントマンには、キアヌ本人直筆の手紙を渡していたという。
(https://www.banger.jp/movie/101803/3/)
○ほぼ全てのアクションシーンをキアヌ本人が演じているが、222段の階段落ちは余りにも危険すぎてスタントダブルに任せた。(https://void.pictures/2023/04/03/john-wick-chapter-4/)
○キアヌ・リーブスは無類のラーメン好き、日本好きで有名。度々来日しており、「九州じゃんがら」銀座店や「ラーメン二郎」などでの目撃情報がある。(https://www.vogue.co.jp/article/keanu-reeves-john-wick-influenced-by-japanese-culture)
インタビューでは「ラーメンの話はNG」になる事も。キアヌが何でも誠実に答えてしまい、映画の話の時間が削られてしまうため。(https://hitocinema.mainichi.jp/article/dfx47ed7ud2)
○ シマヅ役の真田広之は当初、前作『パラベラム』のゼロ役にオファーされていたが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』への出演を優先し、降板していた。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジョン・ウィック:コンセクエンス)
〇シマヅの娘・アキラを演じたリナ・サワヤマは本作で長編映画デビュー。アルバム『Hold The Girl』が全英アルバム・チャートで初登場3位、日本人アーティストとして史上最高位を記録しており、本作のエンディング曲「Eye For An Eye」も歌う。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジョン・ウィック:コンセクエンス)
〇盲目の剣士であるケインのキャラクターは、監督のチャド・スタエルスキが『座頭市』から影響を受けて作り出した。(https://www.banger.jp/movie/101949/3/)
○ コンチネンタルのコンシェルジュ、シャロンを演じたランス・レディックは、2023年3月、60歳で逝去。死因は虚血性心疾患とアテローム性冠動脈疾患。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ランス・レディック)
〇監督のチャド・スタエルスキは、アクション/スタントコーディネーターとして『マトリックス リローテッド/レボリューションズ』('03)などを務め、『マトリックス レザレクションズ』('21)では俳優としても出演している。(http://johnwick.jp/cast/)
〇ファイトコレオグラファーとして参加した川本耕史は、大阪・コンチネンタルホテルでの戦闘シーンをほぼ全て担当。ブルース・リー的になりがちなヌンチャクの使い方も、リアルな暴力に見えるよう心がけたという。また、真田広之が演じたコウジの名は、川本耕史からとった。(https://www.banger.jp/movie/101949/2/)
○ キアヌ・リーブスは、映画が成功する限り、続編を作り続けることを明言した。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジョン・ウィック:コンセクエンス)
〇『ジョン・ウィック』シリーズは、ウィンストンを主人公にしたスピンオフドラマ「The Continental(原題)」と、アナ・デ・アルマス主演のスピンオフ映画『Ballerina(原題)』が製作予定。キアヌは『Ballerina(原題)』へのカメオ出演を認めている。(https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/keanu-reeves-reveals-his-favorite-john-wick-4-scene)
〇入場者プレゼントとして、通常上映にて「JWアートステッカー」を2週にわたって絵柄別に配布。さらにIMAX上映限定で「IMAX版ポスターアート ミニポスター」が、Dolby Cinema上映限定で「JWスペシャルステッカー」が配布される。(https://johnwickjp.tumblr.com/)

◆概要
シリーズ第4弾。
【製作総指揮】
キアヌ・リーブスほか
【監督】
チャド・スタエルスキ(前3作から続投)
【出演】
「マトリックス」シリーズ キアヌ・リーブス
イアン・マクシェーン
「マトリックス」シリーズ ローレンス・フィッシュバーン
「IT/イット」シリーズ ビル・スカルスガルド
ドニー・イェン
真田広之
リナ・サワヤマ
【原題】John Wick: Chapter 4
【公開】2023年9月22日
【上映時間】169分

◆ストーリー
裏社会の掟を破り粛清の包囲網を逃れたジョン・ウィックは、裏社会の頂点に立つ組織・主席連合から自由になるべく立ちあがる。主席連合の若き高官グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破し、ジョンの旧友でもある盲目の暗殺者ケインをジョンのもとへ差し向ける。そんな中、ジョンが日本の友人シマヅに協力を求めるため、大阪のコンチネンタルホテルに現れる。


◆以下ネタバレ


◆フー
ジョンの正拳突きから始まる冒頭。キングの“Are you ready, John?”に“…YEAH”(あのためてからのYEAHがシビれる)。主席連合への復讐を誓った前作の繋がりである事と、本作にアクションが満載である事がこの冒頭で記される。第一作で“ガン・フー”、二作で“ナイ・フー&カー・フー”、前作で“ドッグ・フー”と、カンフーとの融合アクションがアイコンだった本シリーズ。本作では“弓・フー(?)”に“ヌンチャク・フー”、さらに凱旋門での“カー・フー”が際立つ。凱旋門でドリフトの円を描きながら銃を連発したかと思えば、ラウンドアバウトを走行する車に次々と敵が轢かれる見た事もないアクション。踊り狂う人の群れでの殺し合いや、天井カメラからのファイヤーガン長回しも印象深い。刺客をぶん投げながら這い上がった階段を、一気に222段落ちるというド迫力。ラストの一騎打ちの緊迫感にもしびれた。一体何人の刺客を倒したのだろう(同じキャストで最多6回ジョンに殺されているそう笑)、満腹満足、シリーズで最も激しくバラエティに富んだアクションが楽しめた。

◆ネオ日本
大阪が舞台となる日本人には垂涎の展開。始めこそ道頓堀の風景だったものの、ホテル内や屋上(初志貫徹て笑)は日本での撮影ではなかったそうでそこは残念。だが、桜にネオンの組み合わせはどこか異質な美しさがあったし、鎧が飾られた部屋もダークでクール。真田広之の存在感もあれば、サワヤマリナがしっかりアクションできていたのには驚いた(至近距離でもわざわざ弓で仕留めちゃう弓フー!)。キアヌの“押忍”も聞けてなお良し。ケインがすする麺はラーメン好きなキアヌのアイデアか(?)。ありがちな日本の印象の履き違えも、本作はどこかリスペクトがあり、美しく描かれていてよかった。ことサワヤマリナ(サマソニで来日したそうで見たかった)については、ケインがコウジと刃を交える事を躊躇する理由となる役どころであり、復讐に燃え、エンドソングまで歌い、ポストクレジットにまで登場する本作の裏の主人公。続編でもキーマンとなりそうだ。

◆次作
“報いだ”とグラモン侯爵を仕留めたジョンが、“連れ帰ってくれるか?”とウィンストンに言葉を残し息絶えるラスト。“loving husband”と“loving wife”で最愛のヘレンと墓標で並ぶ。“コンセクエンス”には報いの他に、結末や結びという意味もあり、なるほど本作はチャプター4にして一つの“結び”を迎えた形だ。キアヌは本作の撮影で身体的にも精神的にも消耗し、ジョンの完全な抹殺を嘆願していたそう。現在御歳59のキアヌ、キレッキレのアクションを披露したドニーに対しては、動きの素早さで正直見劣りもしていた。キアヌがカメオ出演する本作のスピンオフが製作中だそうで、ポストクレジットでアキラとケインが一戦を交えそうな様子を見ても、次作はその2人に端を発した殺し屋たちの世界観を描く作品か。はたまた無理やりジョンが復活するか…。いずれにしても次回作にもおおいに期待したい。

◆関連作品
○「ジョン・ウィック」('14)
シリーズ第1作。ガンとカンフーを組み合わせた“ガン・フー”が話題に。キアヌが「人生をかけた映画だ」と語る。第2、第3作も含めNetflix配信中。

◆評価(2023年9月22日現在)
Filmarks:★×3.9
Yahoo!検索:★×3.8
映画.com:★×4.0

引用元
https://eiga.com/movie/98665/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジョン・ウィック:コンセクエンス
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