ベイビー

ジョン・ウィック:コンセクエンスのベイビーのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「伊賀野カバ丸」VS「イップマン」

日中屈指のアクションスター同士の対決は見ものでした。めちゃくちゃシビれる!もうそれだけで大満足な作品。

その死闘が行われた大阪パートは見応えがあり、親日家として知られるキアヌ・リーブスさんの思いがこのパートの随所に込められているようで、特にヌンチャクを手にした時には「ヌンチャク、キターーーっ!」って、大声で叫びたくなるくらい胸が高鳴ってしました。

やっぱり今作も“殺しの見本市”の如く、あんな手法やこんな手法を使って幾つもの殺しの仕方を見せてくれました。シリーズを通して見たらジョン・ウィック一人で一個大隊くらいは余裕で倒しているのではないでしょうか。

もう、兵器ですよ兵器!って言うか、街にどんだけ殺し屋おんねん!と、ツッコミたくなるくらいウジャウジャとジョン・ウィックを殺しに人が寄ってくる。しかしあれだけ拳銃をバンバン撃っていて、あれだけ事故が多発しているのに、警官の姿が一人も見えて来ない。本当不思議ですよね。

別にそんなご都合主義はいいんです。ジョン・ウィックの無尽蔵なスタミナと人間離れした肉体のことも誰も文句は言いませんよ。何回もビルから落ちているのに、よく平気だなぁ、って。それくらいのご都合主義はある程度目をつぶりますよ。ついでにいつものダサい字幕だって赦しますよ。それがこのシリーズの醍醐味ですから…

でも、あのベルリンでのクラブでの闘いは如何なものでしょう?目の前で人が殺され続けているのに、あんな大勢の一般の人たちがノーリアクションで踊り続けます? 不自然過ぎますよ。しかもずっと踊り続けるならまだしも、気持ち悪いタイミングで皆んな一斉に逃げ惑ったりして。それでその走り方に皆緊迫感がないから、三々五々で家に帰って行くみたいに見えて、あれが余計に腹が立つんですよね。あの瞬間から興醒めでした。

しかし、それを挽回するようなパリパートは圧巻でした。滅多に見られないパリ市内でのカーアクションは本作の見ものです(でも、ほとんどは合成かな?)。特にジョン・ウィックが片手でドリフトしながら銃を打ちまくるシーンはもう最高!あと、俯瞰から見る長回の銃撃アクションも圧巻でした。どれだけ綿密な下準備をしたのでしょう。その努力にただただ脱帽です。

それから「蒲田行進曲」顔負けの階段落ちも迫力がありましたね。前代未聞の222段落ち? 見ているだけでこっちが痛くなってきます。それでもジョンは「走れメロス」のように、約束を守るため不屈の精神で這い上がって行くんですよね。

もう、どれもが最高レベルのアクション。途中胸焼けするかと思うくらいコッテリと仕上がっていました。

噂で「ベイビーわるきゅーれ」でマヒロを演じた伊澤彩織さんが出演されていると聞いていたので、どこで登場するか出てくるのか楽しみだったのですが、結局見つけられませんでした。エンドロールにはちゃんと名前があったので、後で調べたのですが、彼女は出演という形ではなく、アキラのスタントパフォーマーとして参加されていたとのこと。今作をきっかけに彼女のアクションが世界中に知れ渡ると思っていたのに残念でした。

何はともあれ最高峰のアクション映画を堪能できました。これでシリーズ完結。ということになるのでしょうか?

最後に今シリーズのシャロン役を務められたランス・レディックスさんのご冥福を心よりお祈りいたします。今シリーズに於ける“コンシェルジュ”役のシャロンも好きでしたが、「フリンジ」のフィリップも好きでした。本当、味のある良い役者さんだったと思います。

レディックスさんは「ジョン・ウィック」のスピンオフとなる「バレリーナ(仮)」の撮影も無事撮り終えているとのことなので、そちらの公開を楽しみにしたいと思います。
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