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ジョン・ウィック:コンセクエンスの熊犬のレビュー・感想・評価

4.7
【Chapter 4にして、なお挑戦的な傑作】

原題 John Wick: Chapter 4

前作で『High Table (主席連合)』の粛清を辛くも生き延びたジョン・ウィック。キングと共に地下で身を潜め、改めて自由を求めて立ち上がった。一方、High Table内で勢力を拡大している"マークイス(侯爵)"は、ジョンの旧友で既に引退した盲目の殺し屋ケインを差し向ける。
裏社会の執拗な追撃を退けながら、ただ自由を求めて起死回生の一手を狙うジョンの伝説、最終章!
…な映画。

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いや、もうね。見どころが多すぎて。チャプター4にして、なんつー映画を作ってくれるんだ。最高過ぎる。

全編通しての見どころはもちろんジョン・ウィック名物、命の軽さ(笑)。
いやもうさ。シリーズを通して何人殺したってくらい殺しまくる。シリーズを重ねるごとに、絶対に人数増えてってるってくらいに、殺す。サクサクやるから、もう見ていて気持ちいい。この爽快感はこの映画にしかないテイスト。(あと、すぐに銃投げるの大好き)

で、今回の圧倒的な見どころ。個人的には絞っても四つ。

まずは今回の敵役の一人、盲目の殺し屋ケイン。登場時は「え~、これで大丈夫か?」と思いきや、戦い始めた時に完全に目を奪われた。飄々としている、あるいはフラフラしているんだけど、圧倒的な強者感。ドニー・イェン、ここにきて、圧倒的なマジモノの格闘家のオーラ。めちゃくちゃカッコいい。惚れる。加えて、ジョン・ウィックとの旧友でありつつ、プロとしての距離感を保っている感じも良い。全部良い。

その流れでいうと、大阪コンチネンタルの戦いは全般カッコいい。真田 広之演じるコンチネンタルの支配人、コウジ。絶対に出て欲しかった制作陣による真田 広之の当て書きだったようで、まさにハマり役。個人的には渡辺 謙より好き。ハリウッドの日本人界で、サミュエル・L・ジャクソン的位置を取って欲しい。

今回、なんか一番鳥肌が立ったのは、パリでの逃亡劇の中、廃墟での戦闘シーン。これはマジで凄い。今まで観たことが無いアクションの撮り方で、なんというか、真上から見下ろす形でいたるところで同時に起きている動きが見渡せる一連のショットは圧倒的。めちゃくちゃ興奮してしまった。凄すぎて、拍手したかったくらい。

あとはもう、階段の転げ落ちシーンよね。これはもう、笑っちゃうくらいちゃんと撮ってるのが面白すぎる。映画館で小声で「え~っ!」って言ってしまった。半分引きつつ、めちゃくちゃ凄かった。

しかし、ジョン・ウィックって純粋に強いわけではなく、不死身な所が強いんだと改めて思った。キアヌ・リーヴスももう60歳近いから、そりゃキレッキレな強者な動きはもう出来んよ。まあ、何百人も殺してる事を考えると、やっぱり強いんだけどね。
と思ったら、ドニー・イェンもほぼ同い年で60歳だった。マジで凄い。老いてなお強者。

■本日のビール『Unintended Consequences』
醸造所:Cushwa (アメリカ / メリーランド)
意図せずして裏社会に戻ってきてしまったジョン・ウィックにぴったりな名前のビール。アメリカ、メリーランド州の醸造所のビール。Double IPAで8%としっかり重いながら、ぐいぐい飲み進めてしまう飲みやすさ。まさにこの映画にぴったり。な
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