ヤマニシ

ジョン・ウィック:コンセクエンスのヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 どの梅田駅だよ。
IMAXで見たけど出だしの打撃音でかすぎて座席震えてた。映画館で見る映画はどこまでも音をでかくしてほしいって思ってるから助かる。
 今回の目玉の敵キャラのドニー・イェンは盲目の殺し屋で、座頭市みたいって思った。(見たことないけど...。なんならイップマンも見たことない。)杖で周囲を探ったり、人感センサー持ち歩いてたり、自分にはノーリスクの閃光弾を使ったりと盲目の人らしい戦い方をしてたのがよかった。でも銃の命中精度は高すぎる気もするけどね…。カンフーアクションがメインかな?って最初の厨房のバトルを見て思ったけど、基本は剣で戦う感じでしたね。百裂拳とかぐるぐるパンチ好き。最後の階段のところは一緒に戦ってくれる流れに。めちゃくちゃ頼もしい。この二人がいて負けることあんの?って風格があったけど結構厳しそうだったのでこの世界の殺し屋の層の厚さを感じた。
 大阪編は日本人なら大好きな変な日本。前作できゃりーぱみゅぱみゅ流してる寿司屋の忍者おやじとか出したのに、まだやるのか。厨房の冷蔵庫に弓矢とか手裏剣とか刀とか入れてたり、相撲レスラーが警護してたり、鎧とか飾ってる部屋で太鼓とかたたいてる人がいたりと異様な風景が続く。屋外の看板に「初志貫徹」は変じゃない?家の中に額で飾ってるならまだしも…。そしてやっぱりネオンがギラギラしてる。様式美ですね。こういうのは大好きです。銃をメインで使ってる人が多いのに弓矢使うのはあまりにも不合理じゃない?って思ったんだけど、防弾スーツ着てる人が多いからそれを貫通できる弓矢は現代の装備のメタをはれるという意味で合理的なのか。実際に防弾スーツで弓矢を防げるかは知らんが、この映画では防げないらしい。弓矢をつかった近接アクションもかっこいい。近距離で弓をひいたり、弓そのもので殴ったり、弓で組み伏せたりと色々な使い方ができる。これからは弓の評価を見直さなくてはならないのかも。真田広之のつよつよおじいちゃんっぷりもかっこいい。やっぱり刀だよ刀。でも梅田駅に行けはざっくり過ぎ。梅田駅だけで5個くらいあるんだよ。
 ミスターノーバディは作品全体を通してみると話の都合上要らなかった気もするが、絶妙な緩さと程よい強さがいいバランスのキャラクターだった。それとやっぱり犬。犬を傷つけようとするものは許されないという原点回帰にもつながる重要なキーパーソンだった。詳細は語られていないが金をためているのは犬のためと思われる描写がある。バトルスタイルは犬にちんちんを噛ませて相手をひるませている間にヘッドショットを決めるという合理的かつコミカルな戦い方。絵面は面白いが結構グロイ技でもある。今回初めて登場してバックボーンがわからないし名前もわからない謎のキャラだが、最後に助けてくれたり見せ場が多くていいキャラだった。
 ロシア編はそこまで印象に残らなかったけど、ショットガン打ってくる神父が面白かったのとおっさんがまあまあ強くてびっくり。おっさんは打撃音がほかのキャラよりでかくて、パワータイプの中ボスって感じだ。
 パリ編では凱旋門の周りで自動車行きかう中のバトルが印象的。ジョンウィックも敵も車にはねられまくってるけどピンピンしてる。車にはね上げられたやつを空中で撃つのかっこいい。一般車両が何回か人を撥ねてるのに、誰も停止しないあたり治安の悪さがうかがえる。殺し屋が潜伏してる時の姿がどう見てもホームレスなのは、ホームレスが多くて目立たないからなのか。パリってもしかして治安悪い?屋内のバトルは珍しく俯瞰視点。迫り来る敵がこちらから見えやすく、さらにそれを一体一体撃退していく様子が分かりやすい。ドラゴンブレスは見た目が派手で好き。でも当たった後しばらく動いてる人も結構いたし殺傷力はそこまで?寺院の前の階段のシーンは敵が無限に湧いてくるゲームのステージみたいだ。ギミックが手すりくらいしかないけどそれもちょいちょい活用してるのが流石。結構頑張って昇ったのに突き落とされるなんてひどいよ。階段から転がり落ちるのをあんなに丁寧に描く作品は他にはないよ。あのシーンのスタントさんやばいな。体張りすぎでしょ。
 ラストバトルは西部劇風の撃ちあい。ラストはいい感じに嫌なやつだけ死んだ、と思ったけどジョン・ウィックも死んじゃった。ドニー・イェンも殺されそうな終わりだったけど流石に主人公が死んじゃったらもう次はないか。残念だけどこれ以上話広げづらいだろうし、今作は完璧な最終回だったとも思えるから満足。
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