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ジョン・ウィック:コンセクエンスのBew666のレビュー・感想・評価

4.0
ジョン・ウィックシリーズの完結編(スピンオフは除く)であり、ガンアクションの最高到達点を見たような、感覚に陥りました。
最初から最後までアクション尽くしで、もうお腹いっぱいになっているところを、さらに口に突っ込んでくるようなアクションの連続に、見終わった後はどっと疲れてしまいました。

本作は前3部作のアクションを総まとめしたようなアクションが多いですが、ロケーションや小道具などを上手く使い、「前よりももっと凄いものを見せてやろう」と言う意気込みが伝わってきます。
最初の大阪編での、ヌンチャクを使ったアクションはとてもよく、洗練された動きと言うわけではなく、キャラに合った使い方しているところが良かったです。変にかっこよく見せるのではなく、このキャラならこういう使い方をするなと言うのが分かるので、見ていて邪魔にならず、飽きさせません。
中盤に出てくる手斧も、韓国映画のように、持って走って追いかけたり、振りかざしたりするのでなく、投げたり、技を決めて横転させたところをとどめとして使ったりなど、この映画シリーズらしい銃ような使い方をするので、上手く小道具を使っているなと思いました。

後半に描かれる、凱旋門でのアクションシーンは本作で一番面白かったポイントでした。アクションにおいての車は、走ったり、衝突したり、人に当てたり・撥ねたりといろいろありましたが、本作では、全く新しい銃とのコラボレーションがとても面白く、まさに見たこといシーンの連続で、ものすごくテンションが上がりました。

その後の屋内戦闘もとても良かったです。ショットガンのドラゴンブレス弾という特殊な弾が使われますが、これが最大限に映えるように見せ方が工夫されているので、とても派手でかっこよく、かつ誰が何をしているのかが見やすいので、すごく楽しく見れました。
終盤の長い階段でのシーンも、どこかゲームぽく、ステージを攻略していくような、面白さがありました。落ちるシーンなんかは、役者を少し心配してしまいました。
本作のアクションは意外に散らかることもなく纏まっており、前半から中盤にかけては、新しい小道具といつものガンフーアクション。後半は前作『パラベラム』と『チャプター2』の様に全員から狙われるという、どこかゲームのような展開に分かれているので、こんなに長いのに、ちゃんとアクション一つ一つが、見やすく分かりやすくなるように工夫されているのが、さすがだなと思いました。

俳優陣で個人的に一番良かったのが、真田広之さんが出ているところでした。大体この方がアクション映画に出ると、刀を使ったやくざなど、ステレオタイプな役が多かったですが、本作ではかなりの重要キャラとして出てきます。それだけでなく、ちゃんと銃を使ったアクションを見せてくれているのが、とても嬉しかったです。この作品の肝である銃をちゃんと使い、主人公と似たスタイルの戦い方をするので、カメオとかではなく、一人の登場人物として、認められて出ているところが伝わってきて、少し感動しました。

ドニー・イェンさんも良かったです。ドニーさんの盲目の殺し屋と言う、『座頭市』や『男たちの挽歌』などを意識したキャラがとてもハマっており、初登場キャラながら、見事作品の世界観に溶け込んでいるところが、やっぱり上手いなと思いました。

また今回映画初出演のリナ・サワヤマさんも、豪華な皆さんに負けないぐらいアグレッシブに動いているとところも良かった。彼女は銃ではなく、弓とナイフで戦っているところも、他と差別化できていたことでわかりやすく、活躍が見えやすくなっていたのも良かったです。敵をナイフでぐさぐささすシーンなんかは、キャラも相まって、とても迫真の演技ですごかったです。

褒めすぎは変なので、微妙なところも少し。
やはり一番は時間の長さですね。アクションをしているところはいいのですが、会話シーンや落ち着ているところに入ると、アクションシーンとの落差が激しすぎるので、そこで少し飽きてしまい、眠気が出てきてしまいました。またアクションの部分も、一人一人が某漫画の黒いスーツを着ているのかってくらいに固いので、なかなか倒れず、同じシーンが続くので、ここでも飽きてきます。前作のように、固いアーマー持った敵には、それを上回る弾を用意してごり押すと言う、銃ならではの要素が欲しかったです。時間を長くするために、わざと固くしてるのかなと、いろいろ勘ぐってしまいました。シリーズ最終作なので、これぐらいは必要なのはわかりますが、もう少し短くするか、長さを埋める斬新なアクションがもっとあれば良かったかなと思いました。

本作は絶対に初見は映画館で見るべき映画だと思うので、映画館のデカいスクリーンに、重低音マシマシのスピーカーが搭載されたところで見ると、この作品の面白さがさらに際立つので、ぜひ劇場に足を運んでほしい作品だと思いました。

長々と読んでいただきありがとうございました。
Bew666

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