真田ピロシキ

ジョン・ウィック:コンセクエンスの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

1.5
絶対楽しめないだろうと思ったが雨の降る休日午前をU-NEXTポイントを消化しつつ曖昧に流せる映画でこれを選択した。開始5分で既に見るのやめたい。思いつきだけで設定したようなスカスカスカスカスカ組織の掟と制裁話をダラダラ聞かされ目が泳ぐ。これがおかしな格好のコスプレヒーローならまだしも、見た目だけはマトモっぽくしてスカスカスカスカスカスカ。ヤングジャンプや深夜アニメの厨二。大人が見るもんじゃない。何故私はこんなものを見ているのだろう…あまり画面を見ていない。

今回の目玉はアジアからドニー・イェンと真田広之が出演。最初の舞台は大阪。しかしちっとも嬉しくないね。真田さんはほとんどボランティアで日本考証を行っていると聞くが、ハッキリ言ってあなたの出てる映画ってトンチキジャパンばかりじゃないですか。差別映画ブレットトレインのクソよりはマシだが、サムライニンジャヤクザスモーアサシンが出てきて銃は使わない戦闘スタイル。現代にニンジャがいたら普通に銃使うだろ…目的じゃなくて手段なのだから。こんな映画は絶対日本が好きなわけじゃない。ただニッポンという面白おかしく使いやすいジャポニズムファンタジーを消費しているだけ。今では流石になくなったが中国を功夫と人民服で見ていたようなのと一緒。最近はインドがそういう"異文化満喫"場になっているように感じるが、それも多分そう長くは続かない。日本は徹底的にバカにされているのに宗主国アメリカ様に気に入られている俺たちもアメリカ様同様にトンチキジャパンを楽しめるんだぜーハッハッハーと媚び諂うのだ。いっそのこと大阪ならカジノを舞台にして突然地面がガス爆発しキアヌとドニーさんと真田さんが仲良く爆死。キモいクリーチャーが出てきて「吉村はんはよーやっとる!」と言って終幕なら面白かったのにな。あークソが。

早々とろくに視線も向けていない有様だったが、ドニー・イェンが出てきたら空気が変わった。盲目の暗殺者で視力を補う演出が視覚的に分かりやすくスマート。ジョジョとかハンターハンターとか呪術廻戦みたいな全てを口で説明する能力バトル漫画の野暮さに呆れ果てていた身としてはこれこそ映像表現の醍醐味という思い。更にドニーさんの動きは今回も切れてて疾い。この後に芋臭いジョンウィックの動きを見る必要あるのか?ドニーさんだけでこの映画の価値を高める。

だがそれも長続きしない。話がバカバカしすぎて興味を向けられないし、それ以前にガザの虐殺以降は前以上に人が死ぬ描写にナイーブになっているのでこの命の軽さに吐き気がする。しかもこんな無内容の映画のくせして3時間近い。無意味に人を殺すだけのくせして3時間。ハリウッドの奴らは長くしなけりゃ損とでも思ってないか?私はハリウッド大作映画なんか大嫌いだ。