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スペース・スウィーパーズのkuuのレビュー・感想・評価

スペース・スウィーパーズ(2020年製作の映画)
3.6
『スペース・スウィーパーズ』
原題 Space Sweepers.
製作年 2020年。上映時間 136分。
韓国の人気ウェブコミックを原作に、宇宙のはみ出し者たちが1人の少女を巡って繰り広げる大冒険を描いた、韓国製SFアドベンチャーアクション。
出演はソン・ジュンギ、キム・テリ、チン・ソンギュ、リチャード・アーミテージ。
Netflixで2021年2月5日から配信。

2092年。地球は環境破壊によって荒廃が進み、宇宙開発企業UTSが宇宙空間に築いた居住地で、僅かな富裕層だけが快適な暮らしを送っていた。宇宙空間に増え続けるゴミを回収する宇宙船『勝利号』の乗組員たちは、仕事中に1人の少女を発見し、船に連れて帰る。
しかしその少女は、行方不明になっている大量破壊兵器の少女型ロボット『ドロシー』であることが判明。
金欠の彼らは少女を利用して大金を得るべく、危険な取引に出る。

今作品は、予測可能やけど個人的には面白いストーリー、キャラ、設定、映像、アクション、そしてメッセージがありました。
地球と他の惑星に独特の新しい愛情も多少感じさせてくれたかな。
韓国映画特有のチープなキッチュさをスパイスに、それを許せる部分にこそ描かれた今作品は、楽しい物語と、悪くないアクションとエフェクト、そして感動のスリルを提供してくれてます。
ただ、いつも思うが、アジア映画における欧米人俳優、欧米映画におけるアジア人俳優の大根役者レベルはどうにかならないのかなぁ。
今作品においては、特に『悪のボス』キャラに関しては興醒めしかねない。
定型的で、かなりステレオタイプ。
それを補おうとしない演技。
演技指導が外国語でよく伝わらないのやろとは思うが、通訳が糞なのか。
また、外国俳優のような感情を持たせるのは非常に難しいやろな残念です。
とは云え、今作品カルト的な個性と皮肉、時に97年の『スターシップ・トゥルーパーズ』の面影、ドラマ『エクスパンス -巨獣めざめる-』ほどやないが、太陽系の植民地化という独自の視点、そしてアニメ『カウボーイビバップ』の良いところを取り入れた作品かなぁと。
映画『スターゲイト』のような科学的裏付けがあるSFじゃないけど、かといって大味にするつもりもない。
素直に楽しく、韓国独自の感動的な映画として見ていて爽快感がある。
また、『社会的・政治的偏見』や『現代的であること』を強調することなく、個性的なキャラを登場させ、あらゆる文化や言語が見事に融合しているのは巧みかな。
今作品は、多少オーバーだけど、団結、一体感、愛といった感情を呼び起こし、使われている言語に慣れれば、実はたくさんのユーモアがある作品でした。
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