コロナ禍の日常を描いたジャ・ジャンクー監督の短編映画。以前の世界を、そして自身がこれまで撮ってきた映画すらも懐かしむような寂しさ。それでいて監督の柔和な眼差しは変わっていなくて安心した。コロナ後の世界を意識した映画は増えていくんだろうけど、最初に目にしたのがこの作品で本当に良かった。
フィクションの描き方も大きく影響を受けるだろうし、今後は自分が好きだった映画も消えていくかもと不安だったから、根っこの部分では変わらないジャ・ジャンクーの世界観に物凄く癒されてしまう。どんな世界にあっても変わらないものは確かにあるんだなという希望。いやほんと素晴らしいよ。
しかし現実で新しい生活様式に慣れてきても、映画として見ると未だに超現実的で嘘みたいな世界に思えてしまう不思議。全然詰められてないSF世界を見せられているよう。
Youtubeで真っ先に全世界へ発信した価値も大きいし、興味がある人は是非検索して見て欲しい。