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ザ・ファイブ・ブラッズのkmiwのレビュー・感想・評価

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)
4.7
スパイク・リー作品、全ては観ていないのだが、常に気になる監督である。
こちらは、口がたつ小うるさい監督による、ベトナム戦争・言いたいこと全部詰めました的なヒリつく作品。
序盤ベトナム帰還兵4人(+その内の1名の息子)が揃い、彼の地に再集結した目的がわかる頃には、じわりと嫌な予感に満ちてくる。これ、金塊あったぜヤホーというやつではないなと。
案の定。アメリカに現在も脈々と続く人権問題、過去の戦争が引き起こした国家間のわだかまり、ほんの少し家族問題なども絡めながら、過去の実際の映像(過激なのでショックを受ける人もいるだろう)とフィクションを挟み現在過去と物語は進行。
5人が山に入る直前のワーグナーが勇ましくもハッピーでないエンドを予感させる。
全体を通じて流れる曲はマーヴィンのWhat's Going onであることから、アフリカン・アメリカンであるスパイク・リーがこの作品に込めた思いが伝わってくる。Imagineでもall you need is loveでもない。私も好きな2曲ではあるが、人権を迫害され続けた彼らにとっては、これら2曲はファンタジーなのかも。
エンドロールの最後、終わりまで観てくださいね。ちょっぴりホッとするよ。

余談ですが、スパイク・リー監督のMo' Better Blues(モ'ベター ブルース)という作品が大好きです。配信では観られないのが寂しい。 JAZZ好きな方は機会あったらぜひ観てくださいな。
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