半兵衛

ねらわれた学園 制服を襲うの半兵衛のレビュー・感想・評価

2.5
アイドル的な、あるいは緩めのコメディという作風をデビュー以来30年間もピンク映画で実施してきた渡辺元嗣監督の代表作。同時に特撮やバラエティ番組、ドラマなどのパロディものが多数はびこっていた80年代ピンク映画の貴重な資料(この手の作品の大半は廃棄されている模様)にもなっている。

内容はスケバン刑事のパロディ(ビデオのタイトルはズバリ『スケパン刑事』)で、効果音やBGM、挿入歌まで本家からパクるという念の入り用に恐れ入る。同時に橋本杏子など若手女優のキャピキャピした溌剌とした魅力を引き出してアイドル映画としても成立していることに驚く。

中身は父親の復讐をするため女子学園に乗り込んだ主人公が名器を武器にターゲットである学園長と戦うという馬鹿馬鹿しい内容だが、主人公である女子高生があそこを鍛えるためにしている名器養成ギブス、主人公が武器とするヨーヨーならぬ男性器風のけん玉など異様に凝っている小道具などが馬鹿馬鹿しさを加速させお客を笑いの渦へ引きずり込む。それでいて主人公のライバル的女子高生が、次第に仲良くなりラスト敵陣に乗り込む際に一緒に道行きをゆくシーンはテンプレながら結構熱い(そのあとのエロ映画らしい決着の付け方とのギャップが凄いけれど)。編集も結構上手く、どう見てもアクションの出来る女優ではなさそうなのに活劇としても成立していたりする。

それでも今見ると全体的に古さは否めず、映画の面白さを堪能するというより80年代という時代の風俗を楽しんだり、当時はこういうのが許せる風潮があったのだなということを再確認させる作品であることに注意。そして馬鹿馬鹿しいエロの世界観を温かく見れる人でないと「つまんねえ!」と怒りそうな作品であることも。
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