ヒロシニコ山

Exorcism at 60,000 Feet(原題)のヒロシニコ山のレビュー・感想・評価

Exorcism at 60,000 Feet(原題)(2019年製作の映画)
3.0
チャド・フェリンらしい天真爛漫な悪虐さはそこかしこで観られるものの、良くも悪くもヤケッパチな感が否めない一本。フェリンの映画には細かい部分で人を不快にさせる危うさがあるが、どうもそこを欠いている気が。その一因として考えられるのは、SFXマンのジョー・カストロが語った、彼に対して現場が妨害を行ったことにより(これはフェリンの意思に反したもの)、十分なパフォーマンスが発揮されなかったトラブルが大きいのかもしれない。後にカストロがSNSに公開したフッテージはCGI +SFXで顔面が溶解する楽しいものだったが、それは残念ながら本編で使用されておらず。邪推だが、現場での混乱によりフェリンが思い描いたビジョンを十分に映像化できず、故にその粗を隠すように強引に繋いでいったのではないか(編集もフェリンが行っている)。そのためヤケッパチな印象が漂う仕上がりになったのかもしれない。先に述べたように「良くも悪くも」であり、それがノンストップコメディの推進力として功を奏していないこともないが…。
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