フジタジュンコ

ペッタ! (テルグ語版)のフジタジュンコのレビュー・感想・評価

ペッタ! (テルグ語版)(2019年製作の映画)
5.0
どんでん返しがお好みのカールティク・スッバラージ監督らしく、一筋縄ではいかない展開に賛否が分かれそうだが、スーパースター・ラジニカーントの復帰作としては文句なしの出来ではなかろうか。劇伴がとにかく素晴らしく、本編を見る前にYoutubeで1,200回ほどはMVを見ていたので、メインテーマの”Petta Paraak”には否応なく盛り上がってしまう。

前半は「マスター 先生が来る!」を思わせる学園もので、後半はタミル映画らしいファクションものの展開となっており、ラストのどんでん返しは確かに倫理観どこいったと思うが、タミル人にとっては悪は悪、利用できるものは何でも利用する、それになんといってもラジニカーントは大正義、というところで決着がつけられるのかもしれない。

私はタミル語版のレビューで書いた通り、大好きなスターたちの共演であれこれ言う余力がなくなってしまったのもあるが、我々の文化と違うところのストーリーテリングなので、VSPを可愛く撮ってくれてありがとう、ナワさんを出演させてくれてありがとう、と言うしかないし、そもそも、ラジニカーント主演作品なのだから、ラジニ様が元気で生きていてくれればそれでいいんだよ…としか…ただ、ラジニ様はもともと悪役をこなしてらしたのもあり、ペッタのキャラクター造形にはそれほど違和感はなかった。

タミル語版のトンデモ日本語訳がSNSで話題になっており、「アフリカン・カンフー・ナチス」かな?というレベルの関西弁が飛び出したり、Netflixの自動翻訳では対応できなかったであろうシーンでは(タミル語)※テルグ語版ではテルグ語 と表示するテキトーぶりは南インド映画らしいといえばらしい、ものの、本作はタミル語版とテルグ語版の日本語字幕と英語字幕で見たが、解釈が言語によって異なるので、プロによる日本語訳で鑑賞したいところ。

※ 狂ったリビドーはタミル語版の感想で放出しています
https://filmarks.com/movies/84224/reviews/172565601