Uえい

盗むひとのUえいのレビュー・感想・評価

盗むひと(1966年製作の映画)
2.5
ジャン・シャポーの映画を初めて見た。

主演はロミー・シュナイダーで、こちらも恥ずかしながら初めて見た。今更ながら前にやっていたロミー・シュナイダー没後40年の映画祭を見ておけば良かったなと後悔した。フローレンス・ピューの様な強さと繊細さを感じた。

ベルリンに住むジュリアは、ある日夫のヴェルナーに秘密を打ち明ける。6年前の19歳の時に子供を産み、育てられなかったため養子に出してしまっていた。今になって後悔と、再び親子の関係に戻りたい気持ちが我慢しきれず、遂には誘拐してしまう。

しかし、養子に出した先のコストロビッチ家はポーランド移民で、届出を出しておらず、法律上はジュリアの元に戻るのが正しい状況だった。そんな中、育ての父が塔に登り、子供を返さないと飛び降りると脅し始める。メディアにも報道され、大騒動になり。。

前半の、ジュリアが養子に出した先の子供のストーキングする様は狂気を感じた。後半は、コストロビッチが塔に登る形で狂ってしまい、最後はコストロビッチの元に子供が戻るが、法律上はジュリアの元に返るのが正しいのになあとモヤモヤした気持ちになった。

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以下、堀千晶さんのトークメモ

・当時フランスでは中絶が犯罪で、71年に中絶手術を行った人の署名運動が行われた(343人のマニュフェスト)
・主演のロミー・シュナイダーや、台詞を担当したマルグリット・デュラスも署名した
・二つの家族は、夫婦の間に子供がいない点が共通している
・対比として、母と父、中産階級と労働者階級などがある
・フランス語とドイツ語が混じっている。オリヴェイラの作品ではコメディとして描かれるが、本作ではすれ違いとして描かれる
・撮影のジャン・パンゼールはアケルマンの「アンナの出会い」も担当している。アンナの出会いは水平方向の撮影で、本作は垂直方向の撮影が印象的
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