門倉カド

哀愁しんでれらの門倉カドのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.5
本当の家族とは。現代を彩る、怖すぎるおとぎ話。

【賛否両論チェック】
賛:家族を愛するがゆえに歪んでいってしまう、ヒロインの心が痛々しい。
否:まさにおとぎ話を地で行くような、ありえない展開の連続なので、その辺りの好みは分かれそう。ラブシーンもかなりあり。

 一言でいうなら、
「(怖い意味で)家族って・・・何?」
って感じさせる作品です。
 不幸の果てに出逢った、運命の人。彼とその愛娘と懸命に向き合おうとすればするほど、次第にヒロインの心が歪んでいってしまうのが、切なくも痛々しく映ります。以前は、いわゆる“モンスターペアレント”を蔑視していたはずのヒロインが、次第に自身が“モンスター”となっていく様を通して垣間見えるのは、家族への愛情が生み出す“いびつさ”です。
 ただラブシーンがかなりあるので、一緒に観る人は選んだ方がイイかもしれません(笑)。
 ひと筋縄ではいかない、現代の大人向けおとぎ話ですので、気になった方は是非チェックしてみて下さい。
門倉カド

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