愛の田中圭特化型レビュー

哀愁しんでれらの愛の田中圭特化型レビューのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
5.0
一度目に見た時、二度目に見た時
その後何度か見た後で、これほど印象の変わる作品も珍しいと思います

この映画を見た時の気持ちが、コロコロと変わって行ったのは、監督の思いや、いろんな人の(おもしろいほど好き嫌いが分かれた)感想を見たこと

好きだ、刺さる、面白いという感想や、なんとか感動ポイントを探そうとする考察、嫌悪感を露骨にしたレビューまで(それも結構な数の衝撃を受けた感想)

まずは何も前情報を入れずに、ぜひこの衝撃の問題作を観てみてください

◼️《今からこの映画を見る方へ》

まず、これだけは言いたいのは

1回目は、前情報を入れずに見て欲しい!
それから2回目を見る前に、絶対にパンフレット、または監督のツイートの『Director Interview』(※下にリンクあり)を見た方がいい!
その情報があるのと無いのでは、全然、感じ方が違うと思います

私は初見で見た時、全然わかっていなかったです
いろいろと...

ヒカリが〇〇〇と思っている人ほどレビューが酷評な気がするし、ヒカリを〇〇〇ところから、この物語の感動が始まる気がします(この伏字の部分は下のネタバレ部分に。映画を見た方だけ、どうぞ)

(※注釈)映画公開が終わっているので、パンフレットが手に入らないという方は、下のリンク、渡部監督のツイートの中の紫の画像に
パンフレットほどはっきりとは書かれていませんが、うっすらと同じことを匂わせるような内容の記載があります。

⚠️これも読まずに、一度まっさらの気持ちのまま映画を観てから読むことをオススメします

渡部亮平監督のTwitterリンク→ https://twitter.com/aishucinderella/status/1357614944456478724?s=21

ちなみに、チューは私が思ってたより、かなり爆発しちゃうかもでした!(個人の意見です)

そして、映画を観て、監督のインタビューを読んだ後で読んで欲しい、

◼️結局私が落ち着いたところ《最後の感想》

映画の冒頭に、児童相談所に勤めている、正義感が強く、生真面目でまっすぐな小春。
テレビのニュースで、モンスターペアレンツが起こす、狂気の親バカ事件を見て、小春が『バカな親!』と吐き捨てるように言う象徴的なシーンがあります。

一度目に前情報無しでこの映画を見た時の私の感想、(主人公たちの心の内を知らず、一般的な判断で見た時の嫌悪感)は、まさにこの時の小春の気持ちに近いものでした。

(ここ、詳しくは後ほど)

2回目に、監督のインタビューを読んでから、もう一度映画を観ると、誰も悪くないのに掛け違ったボタンが悲しくて、

小春、大悟、ヒカリ、それぞれの思いが悲しくて、取り返しのつかない結末が切なくて、

もう、打ちのめされたような気持ちで涙が止まりませんでした。

そして、圭くんを見たいと思う気持ちと、応援の気持ちで劇場に何度も足を運んで
答えを求めながら観ていた結果。

そもそも、渡部監督は、感動させることを求めていないのだろうと思い始めました。

私の映画の好みとして、つい感動を求めがちですが、これは感情移入して感動させたい物語じゃなく、ザワザワする違和感と、見方ひとつで価値観をひっくり返されたり
自分の価値観を揺さぶられるような感情を楽しむ映画なのかもしれない...

そして、監督もそれを楽しんでいる(別に感動させようと思っちゃいない)のかもしれない...というところに落ち着いたのです。

◼️《一回目を観ながら感じていたモヤモヤした気持ち》言えなかったけど

サイコパス的な(と思っていた)ヒカリへの嫌悪感。

自分の子供を信じてあげないことへのモヤモヤ。
親なら世界中の人を敵に回しても、我が子を信じてやれよ!と思う。
(私なら盲目に我が子を信じると思う)

ラストシーンのところ、シンプルに、子供が酷い目にあうのを見て感じる心理的苦痛。

私が、普段から映画を選ぶ時に、感動的な、ピュアな、泣ける作品を選びがち。
(せっかくわざわざ映画を見るなら、ドロドロとか恐怖、狂気を好まないこと)

いろいろ思うところはありましたが、圭くん好きだし〜、マイナスなこと言いたくないし〜、ムビチケいっぱい買ったし〜、と言う思いでした。

言わなかったけどw

それが見終わった後でお茶を飲みながら、パンフレットを見た瞬間!秒で気持ちが覆ることになります!

◼️パンフレットを見て秒で寝返った私が《2回目を見ながら号泣した感想》

〜見た直後に書いたやつなので、感極まり気味〜

2回目にパンフレットの『Director Interview』を読んでから見ると、1回目と全く違う気持ちで涙が止まらなくて、
ロビーで号泣した、しずる村上さんの気持ちがよく分かりました。

そう思うと、あの家族を狂わせた悲劇が無念で...感想言おうとしても、号泣しそうで何も言えず、映画館出ても涙が止まらず...

映画館のエスカレーターで、
『無理!今しゃべったら声出して泣くから!』と言うまでに、見事に寝返ったのです(笑)



⚠️あ、ここからめっちゃネタバレしますよ!念の為、念押し⚠️

















パンフレットのDirector Interviewの2ページ目の15行目辺りで監督が言ってた『そうではなく』以降の部分を読んで、

〜ヒカリちゃんは殺してないし、ましてイジワルな子でもなくて、小春の無神経な裏切りにちょっと拗ねてただけ〜だと知って驚愕しました。

監督の意図が分かって観ると、辛くもせつなく悲しく美しく感じて...(思い出して泣きそう)

私は、ヒカリがあの女の子を殺したって言う渉の証言を信じちゃっていたので、
最後のヒカリの『私は幸せになれるのだろうか?』のナレーションに、

なれるわけねーだろ!

って心の中でツッコんでました。
ごめんねヒカリ、ごめんね監督。
渉が虚言癖だって振りが何回もあったのにね〜

私の解釈違いスゲーな...と。

それを知ってから2回目を観ると、もう気持ちが180度変わって、
歯車が食い違って、誰も悪くない(渉は悪いけど)のに、どんどんおかしな方向に進んでいく家族に戦慄して、胸が張り裂けそうでした。
私の自分の子供だったらやってないって心底信じてあげられるのに、ヒカリ、ホントごめんね〜と思ったし、

だからこそ、ヒカリがやったって信じちゃって、でも守らなきゃって強行に及んだ小春の気持ちがわかる...
狂気の犯行には共感しないけど、動機の部分だけは理解できる。
(信じてあげられなかったのに、守ってあげなきゃと思っちゃったんだよね)

ちょっと気難しくて拗ねちゃっただけのヒカリ。

たぶん虐められていて、何くそという思いで医者になり、人を見返したい、見下したい気持ちが根底に残っている大悟。

幸せにらならなきゃ、幸せにしてあげなきゃ、とただただ一生懸命だった、正義感が強くて生真面目すぎる小春。

たいして悪い人でもなく、そこら辺にいそうな家族。

それが両親2人が死刑になって、

〜〜たぶんあの教室のシーンが最後の家族団欒になる〜〜

そう思うと、みんな違ってみんないいの詩と、『私は幸せになれるのだろうか?』のヒカリの声が、悲しく響いて打ちのめされました。

また、2回目は、雑誌『月刊シナリオ』の脚本も読んでから見たので、あの表現がこうなったのかといろいろ思うところもあり、また違う角度からも楽しめたので、シナリオを読んでから観てみるのもオススメです。

◼️《〇〇〇の種明かし》
『〇〇〇』のところ

ヒカリが『殺した』と思っている人ほどレビューが酷評な気がするし、ヒカリを『信じる』ところから、この物語の感動が始まる気がします。

ヒカリを信じてあげられましたか?

大悟と同じように、ヒカリを信じてあげられたのか。

小春と同じように、ヒカリを信じていないけど守ってあげたいと思うのか。

結婚前の小春のように、『バカな親!』と
理解することから目を背けたのか。

窓にラクガキをした人のように、
非難の声を書かずにはいられなかったのか。

感じ方は人それぞれで、観終わって思いの違いを語りあって、感じ方の違いに話が弾むところまでがこの映画の楽しみだという気がします。

そして、ここまでが、2、3回観た上での感想なのですが、何度も観て、いろんな人と語り合った上で、結局たどり着いたのが、上の《最後の感想》でした。


◼️《舞台挨拶のライビュのエピソード》

黒のスーツめちゃくちゃカッコ良くて、顔は少し絞ったのかな?という印象で、イケ散らかしていました。

監督が圭くんのことを、自分をよく見せようとしない、ありのままなのにステキ...みたいな感じに、すごく褒められていたことと。

ライビュで、太鳳ちゃんがオファーを受けるのに悩んだ話の流れで、
圭くんが、台本読む前に、太鳳ちゃんが主演だと聞いて即答したというエピソードが好きすぎます。

圭くん帰り際に、太鳳ちゃんのドレスの裾踏んだのかな?つまづいたのかな?
前の太鳳ちゃんにめちゃくちゃ謝ってたのが可愛いかったです。

毎度おなじみの《特典映像レビュー》(まだ書いてない)は、後日、追記します。