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ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

5.0
このドキュメンタリーは毎年観ようと思う。
少年兵だったり、対馬丸の生還者だったり、当時の子供たちが語る沖縄戦である。

なぜ子供たちが傷つき、死ななければならなかったのか、親を失わなければならなかったのか。ラストの戦後の子供たちの安全に保護された映像にはホッとしたが、涙が止まらなかった。

とくに、米兵から飲み水をもらっている子供が恐怖で震えているシーン。この幼子がどんな思いをしたのか、想像するのが恐ろしい。民間人の犠牲者の約半数が子供たちだった沖縄戦。少年兵に憧れ、戦闘に巻き込まれ、足手纏いなら即味方に殺された。

軍隊は住民を守らなかった、軍国教育の恐ろしさを人々は口にする。

集団自決とは言わない。自発的に死んだのではない。軍隊により、追い詰められた「集団強制死」だという。

互いに密告しあい、身内を殺めたり、人々は長いこと真実を話せなかった。他人、親族に迷惑をかけるからと。

271万発アメリカから落とされ、今なお残る不発弾を撤去するまでに後70年はかかるという。

弱者からの視点で語られる戦争。

来年も観たい。
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