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アオラレのkuuのレビュー・感想・評価

アオラレ(2020年製作の映画)
3.7
『アオラレ』
原題Unhinged.
映倫区分PG12.
製作年2020年。上映時間90分。

ラッセル・クロウが、あおり運転の常習犯を演じたアメリカンスリラー。
素性不明の恐怖のあおり運転常習犯をクロウが怪演。
被害者となるレイチェルをカレン・ピストリアスが演じた(カレン・ピストリアスは、ガブリエル・ベイトマンより実際はわずか14歳年上。長くあってない小生の一番上の兄弟と同じやん)。
監督はデリック・ボルテ。

寝坊してあわてて息子を学校へ送りながら職場へと向かう美容師のレイチェル。
車を運転する彼女は信号待ちで止まるが、信号が青になっても前の車は一向に発進しようとしない。
クラクションを鳴らしても動じないため、レイチェルは車を追い越すが、つけてきた男から『運転マナーがなっていない』と注意される。
謝罪を求める男を拒絶し、息子を無事に学校に送り届けたレイチェルだったが、ガソリンスタンドの売店でさっきの男に尾けられていることに気づく。レイチェルは店員から男があおり運転の常習犯であることを警告され。。。

今作品は、
巧い演技に、
容赦ねぇエネルギー、
そして、堅実な脚本で作られているとおもいました。
ベテラン俳優のラッセル・クロウが演じる、
家、
   仕事、
妻、
   そして正気と生きがいのすべてを失った、名もなき野郎が主体に展開する。
ある夜、この野郎は、奥さんと彼女の新しいボーイフレンドを殺っちまい、家に火をつけて現場から遁走。
野郎は、いつどこでポリスに見つかるかも気にせず、逮捕に抵抗して殺されるのを楽しみにしてさえいる(観てる側にこう思わすのは演技のたわものかな)。
数時間後、容赦ねぇソシオパス(社会病質者、ソシオん《小生の造語です🙇‍♂️》)は、沈思黙考にふけり、青信号を無視する。
難しい離婚を経験し、
最高のクライアントを失ったばかりで、寝坊したために息子を学校に急がせようとするストレスフルなシングルマザーは、彼にクラクションを鳴らし、中指を立てる。
アオラレた事はないけど、また、アオル行為も何十年もしてないし、云いきれなが、頭に血がのぼってアオル側の非が大きいのは事実やけど、それに至るまでの経過で、実はアオラレた側が多少なりとも原因になってる場合もあると思う。
以前あった、茨城県守谷市の常磐自動車道で起きたアオリ運転殴打など3つの事件で、強要と傷害の罪に問われた会社役員なんかは救いようが無さそうな事犯やけど(犯人は、実刑だけじゃなく、ある意味公開処刑並みにメディアに叩かれよった)、あんなオッサンに車停められて、おっりゃぁあぁ~と出てきた日には、
右手にトンカチ、左手にノコギリ位持って、武装しなきゃ対抗出来ないし🥺。
あんなときは窓閉めてロックかけて👅舌だしてポリス呼ぶ!
じゃない、刺激しないようにポリス呼ぶかな。
そんな意味でこのシーンは過激とは云え巧い演出かな。
次の停留所で、ソシオんは、彼女の速度を落としたことを謝り、彼女の無礼な振る舞いについて謝罪することを期待する。
しか~し、シングルマザーはそれを拒否🙅‍♀️。
彼女の人生においてこりゃ最悪の決断やな。
ソシオんは、今度は彼女、彼女の家族、そして彼女の友人を追いかけ、本当に悪い日がどんな感じなのかを教えてくれる。
今作品は、いくつかの点で説得力がある。
特に、ラッセル・クロウが演じる崖っぷちの野郎ソシオんは、これまでで最も素晴らしい演技を見せてました。
アクション、ドラマ、スリラーの要素が完璧にミックスされた作品でした。登場する人物はそれぞれ興味深い背景を持ってるし、その欠点と長所がリアルに描かれてた。
特殊効果もリアルで、不必要な誇張がないねんなぁ。
猛烈なスピード感にもかかわらず、手ぶれしないように落ち着いて撮影されてたし。
壮大なサウンドトラックは、パーペキに調和して、多くの雰囲気を提供していた。
衝撃的なオープニングから、簡潔なエンディングまで楽しませてくれたし、無駄な長さを排除してたんも好感がもてる(内容は怖いけど)。
シンプルなプロットにもかかわらず、日常生活における礼儀、家族、責任について考えるきっかけを与えてくれるんじゃないかな。
ただ、個人的には小さな欠点がある。前述したように、今作品のストーリーは必ずしも独創的ではなく、過去に優れたマイケル・ダグラスが出とった『Falling Down』(1993年)で既に、つくられて、あちらも良かった。
また、主人公も敵役もひどい選択をし、社会性に欠け、周囲の人の命を危険にさらすので、無邪気な10代の息子以外を応援するのはかなり難しい。
この2つの小さな欠点はあるものの、今作品は、最初から最後までハラハラドキドキさせられる娯楽アクションスリラーでした。
クリエイティブでも革新的でも知的でもないかもしれへんけど、素晴らしい女優と俳優、優れた演出力、流れるような激しいテンポで、個人的には秀作を作り出してました。
決して気取ることなく、考えるための材料さえ提供してくれました。
kuu

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