マーフィー怒りの鑑賞

アオラレのマーフィー怒りの鑑賞のネタバレレビュー・内容・結末

アオラレ(2020年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

>ラッセル・クロウのパブリックイメージとキャラクターが完全に一致したモンスター映画。

「filmarksのみんなの感想」おいおい、それは言い過ぎでは(笑)ラッセル・クロウは脚本読んだ際に「絶対に出演しない」と思ったらしいが、何故出演したのだろうか?それほど深みのある作品ではないので、彼ほどのスターが出演するのは不思議ではある。予告映像からして低予算B級サスペンス臭がするくらいなので。

アメリカのニューオーリンズが舞台でありながら、クロウはオーストラリア人、主演女優は南アフリカ生まれのニュージーランド育ちというキャスティングが面白い。

この映画を成立させる要素かつ、主人公側にとって最悪な要素は、ラッセル・クロウが過去の役柄そのままの戦闘力を保持している事。会社を解雇され自暴自棄になった社会不適合者でありながら、戦闘力がグラディエーター並。何故か機転も効く。それだけの能力があれば、サイコパスであっても社会人として上手くやっていけるどころか、出世しそうなものなんだが(笑)

ガソスタで主人公を助けてくれるアンチャンの行動は、無理やり事件を起こす為に、あえて辻褄の合わない事をさせているように見えた。「警察に通報しても無駄だし、相手を怒らせるだけ。」と言いながら、主人公の前を歩いて犯人のナンバープレートを確認して、犯人に警告までする。相手の危険性を認識していながら、相手に敵対的言動をとるっておかしいでしょ。銃社会では「俺を殺せ」と言ってるようなもの。このアンチャンが凄く軽そうな奴で、主人公に気があって良いところを見せる為、という描写があれば現実感あるんだけど。

頻発する事件に警察業務はパンク状態で、通報しても警官を急行させてくれないという状況が恐怖を煽る。あおり運転と、治安の崩壊という現実的な要素が怖い。自動車事故のシーンも迫力があった。ただハリウッド映画にありがちな、ラストが尻すぼみな展開なのは残念。毎度おなじみの一騎打ち展開、どうにかならないものか。ハッピーエンドのような雰囲気になってるのもおかしい。弟は重傷、弟のフィアンセと自分の弁護士は死亡。元を辿れば主人公の行動が始まりなので、罪悪感から精神崩壊するはず。

検索バーに「アオラレ 映画」と打ち込むと、「主人公 悪い」と出てくるので、主人公が元凶と考える人が多いようだ。いっそ本当にサイコなのは主人公でした・・・って展開にすれば、名作になれたかもしれない。