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BECKY ベッキーのSSDDのレビュー・感想・評価

BECKY ベッキー(2020年製作の映画)
3.7
■概要
13歳の少女は怒りに満ちていた。母が病死したことで怒りの矛先がわからない少女。父親が連れてきた恋人と連れ子をみて外に飛び出す。
その一方で脱獄犯達が押し入ってきてしまう。少女は怒りのやり場を見つけてしまう…。

■感想(ネタバレなし)
怒り狂う少女が強盗相手にホームアローンをするのだがゴア系バリバリといえばわかりやすいが、コメディ要素はない。

TLによく流れてたし、評価も高そうなので視聴。映像も安っぽくなくしっかりエフェクトもかけられ、知らない役者だらけでも違和感なく最後まで観れた。

なかなか不思議な作品でキーになるものが詳しく語られずに進行していくので何か伏線や、ミームを考えさせられるのだが結局わからなかった。

単純なゴアだけの作品ではなく、含みを持たせてくれたおかげでまんまと最後まで好奇心を持った状態が保てた。
なかなかストレートな作品の割にひねってるわけでもないというのに不思議な感覚になる作品でした。













■感想(ネタバレあり)
・序盤のシーン
子供達に学校で囲まれているシーンになんの意味があるのか、怒りの矛先がなくやり場のない怒りで孤独になった少女がイジメを受けているという受け取り方以外あるのか、まったくわからなかった。

・鍵の意味
主犯が後頭部のハーケンクロイツからナチ関連だとわかるのだが、欲しがる鍵はなぜあの家にあって、どこで使い、何をできるのか。神の定めに従うための現状を打破するなにかのようなことを口走っていたのだが…そもそも暴力衝動か、エゴを比喩したものなのだろうか。

手にした時から攻撃性が強まり、相手がどんな手打ちの策を示そうと"傷付けたい"という意志しか持たなくなる少女。

鍵の使用用途は無関係に鍵自体が暴力を生むのか、エゴの抑制がなくなる心理的な象徴としているなら非常に面白い映画でした。

最後に鍵を使ってナチの遺産である兵器を怒りに身を任せて振るうとかそんなオチにはしなく、解釈を委ねたとすると本当に変わった作品だなと思います。

・総評
犬殺されて文房具で人を殺すとかどこかのジョンなのかなと無茶苦茶な部分はご愛嬌として、なかなかの殺意と犬と戯れていると無邪気に見える少女がキラーマシーンと化すというぶっ飛んだ内容。
謎を明確にしない終わり方と、目新しいわけではないのに吹っ飛んだモノを観たなと思わされる作風は素晴らしかったです。

下手に続編とかはいらない気がするけど、成長したサイコパスとしてのベッキーが描かれるなら観てしまうだろうなぁ。
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