たけちゃん

名探偵ホームズ1 青い紅玉(ルビー)の巻のたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.1
あの500ギニーは、ポリイにこそ必要なんです……


宮崎駿監督、脚本:片渕須直 1984年製作
声優:柴田侊彦、大塚周男、田中真弓


先日、コナン・ドイルの誕生日に「シャーロック・ホームズ」映画を観ようと思い、ビリー・ワイルダー監督の映画を観たんですが、僕の求めていたような娯楽映画ではなくて、ちょっとモヤモヤしたので、思いっきり娯楽に浸りたくて、アニメを手にしました(笑)
なんと、これは宮崎駿監督が関わったシャーロック・ホームズ\(^o^)/


元々はイタリア放送協会(通称、RAI)から依頼を受けて製作したものです。なので、アイデアや脚本にイタリア人の名前があります。犬のホームズもイタリアからの要望。
全26話のうち6話だけ宮崎駿が監督したものがあるんですが、そのうちの4話を「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」の公開時に抱き合わせで併映したようです。

実は1984年の「風の谷のナウシカ」の公開時には、「名探偵ホームズ」は国内で放送されていなくて、吹き替えなどもありませんでした。そのため、ナウシカと併映された劇場版は声優さんが違います。そこもまた面白いところなんですよね。

テレビシリーズのホームズは広川太一郎さんなんですが、今作は柴田侊彦さん。ラピュタの併映版はテレビシリーズまんまなので、広川太一郎さんに戻っています。そのあたりは次の劇場版レビューで書きますね。


さて、「風の谷のナウシカ」と併映された劇場版「名探偵ホームズ」は2話構成。
1話目は「青い紅玉(ルビー) 」で、これはテレビシリーズの第5話になります。


テレビシリーズとの違いでは、まず、オープニングは無し。いきなり本編へと入ります。
若干ですが、テレビシリーズとはセリフ回しも違いましたね。ほとんど気になりませんが。
気のせいかもしれませんが、画質はテレビシリーズよりちょっと良い気がしました。

オープニングがないこともあり、テレビシリーズの主題歌は使われていませんし、エンディングもなし。2話目となる「海底の財宝」の後に劇場版のみの歌があるんですが、それは次のレビューにて。


大きな違いでは、役名ですね。
なんでも著作権上の問題で、劇場公開時には使えなかったんだとか。テレビシリーズの放映時にはクリアになっているので、名前が戻っています。
例えば、モリアーティがモロアッチ教授に、ハドソン夫人がエリソン夫人に、レストラーデ警部がレストラント警部にという感じです。



テレビの1話分ですから劇場版と言われると物足りなさを感じるかもしれませんが、あくまでもナウシカの併映。
でも、演出的にはラピュタの原型のような感じもあり、宮崎駿監督の上手さを十分に感じられる作品でした。この話のゲスト、ポリイはパズーのような雰囲気でしたよ。

あと、もうひとつ言い添えると、この作品の脚本は片渕須直さんなんですよね。「この世界の片隅に」で大ブレイクした片渕監督ですが、この時まだ大学生で、試しに出した脚本が採用されたとか。こちらもなんともすごい才能です。
そんな意味でも、今作はスルー出来ないのでは?


「名探偵ホームズ」はアマプラで劇場版もテレビシリーズも観られますので、興味がありましたら、是非。