おばけシューター

サイケな世界 ~スターが語る幻覚体験~のおばけシューターのレビュー・感想・評価

3.5
キャリーやフィッシャー、レイヤ姫らがサイケ体験を語るドキュメンタリー。

そしてスティングはやっぱりすごかった!サイケのために国境を越え、民族の儀式に混ざれる男。関係ない話ですが、イギリスに住んでた友人いわくストーンヘンジの近くにポツンと古城があり、そこにスティングが住んでたらしい。ヤベェ。

サイケデリクスに関しての体験を打ち明けること自体はいろんなメディアで色んな人がやってきたことだし内容も特別なアプローチがある訳でもないので真新しさはあまりないが、冒頭に一番大事なインタビュー置いてるあたり制作陣はサイケの本質をよくわかってるとは思った。
重要なのは視覚や時間感覚の変質、湧き出るイメージでは無く、普段は抑圧されてて気づかない感動、疑問、感謝や恐怖と向き合えること、故に人生で最も重要な体験の一つにも、最も恐ろしいものにもなりうる、と言いたいのです。
例えば本作にも含まれますが、サイケ使用後に死が怖くなくなったと語る人が非常に多い。これは抑圧されていた死への疑問や恐怖について改めて考えさせられた結果,理解に一歩近づき恐怖を克服できたという例でしょう(この恐怖に呑まれることこそ、バッドトリップですね)。これは神秘体験にも繋がり、シャーマンが儀式に使うのもコレが所以ですね。


ところで、検索したら出てきたさいたま県の薬物対策のページを引用してみる。
>【幻聴・幻覚・精神異常をきたし、たとえば壁の絵が動いている、天井のシミが人に見える、という気が狂いそうな症状が起こる。その他ひどいことになると、飛べると思いこんでビルの窓から飛び降りたり、力がみなぎったような錯覚から、電車を止められると思い込み、電車に飛び込み、死に至るケースもある。】

だそうです。
じゃあなんでそんな薬物やるんですかね?という疑問はさておき、公務員のおじさんが想像で書いた"ドラッグ"体験よりは、本作は遥かに教育的なのは間違いないでしょう。