交通事故により幽体離脱の状態に陥った童貞青年が、DV彼氏の脅迫行為に悩まされている女性（戸田真琴）を救おうとする。幽体化した青年の冒険譚を描いている、オーピー配給のピンク映画。
気絶中の人間に憑依して、身体を借りることができる幽霊が、周囲の人間模様に干渉していく。ポルターガイスト現象を引き起こすこともなく、ただ傍観しているシーンが多く、今どきの日本映画にありがちな"ツッコミ役"を担っている。
訳ありの女性地縛霊（きみと歩実、しじみ）と接触して、幽体同士の交合に及ぶシークエンス。そして、異性の身体を借りることにより、その役者が（異性役の）演技力を発揮させるシークエンスが面白い。
しかしながら、物語構成がスマートとは言えないため、パズルのピースが散らかったままでの鑑賞を強いられてしまう。精神と肉体をモチーフにした、トリッキーな物語をやるにしても、まったく"エロくない"ところが致命的といえる。
