徳丸

ロストブレット 窮地のカーチェイスの徳丸のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

私はこの作品が好き。
ずっと昔にも観たことを思い出した。
何度見てもやっぱり楽しめた。

シャラスは警察官として、麻薬取締の仕事への情熱を持つ。シャラスの生き様がカッコいい。

車の改造ぶりから麻薬の運び屋の手掛かりを探って行く。

職業柄、得た知識を犯罪に使おうとするリノを目覚めさせたのは、警察官のシャラスだ。シャラスは刑に服しているリノに対しても、麻薬捜査に協力すればちゃんと社会復帰の道を示す。どんな人間でも人としての行動を信じる男っぷりがかっこいい。

麻薬の運び屋と繋がっているシャラスの同僚警察官であるアレスキがクソな奴として描かれる。
少量の麻薬を検挙して実績を積んでいると見せかけてた。
シャラスは署内に内通者がいることを感じ取っていたのだ。

アレスキに手を貸す同僚マルコは良心が揺さぶられている。
リノの弟分のカンタンは周りに流されやすく弱い人間だ。金に目がくらんで犯罪に走ってしまう。カンタンは証拠品を処分せず兄貴分に示した。
そういう人間の心の微妙な動きを観る者に押し付け過ぎずに丁寧に描いているところがこの作品の優れているところだ。

また署での脱走シーンもとてもリアルで力が入ってしまう。自分を信じてくれた人に報いたい一心でポテンシャル底力が引き出されたんだ、きっと。

男臭い作品かと思うがジュリアやモスを挟んで人種のキャスティングのバランスもとれていると思う。

リノが改造した証拠の車で警察車両を吹っ飛ばすシーンは迫力がある。リノが赤いルノーで市街地を爆走するシーンは迫力のスタント!

リノがアレスキを素手で殴るシーンは観ている自分も思わず力が入った。リノはアレスキと同僚マルコを殺さなかった。

アレスキに爆破されて炎上した車を証拠品として署まで運転するリノはカッコ良かった。

車のスタントは一発撮りだろうか。役である本人が運転した場面もあるのだろうか。

アレスキにも妻と幼い子どもを抱え家庭があるワンシーンを挟んだ。

シャラスを追悼する写真は赤いルノーの運転席に乗った姿で物哀しかった。

人間の能力は正義に使うべきで、それでいて正義を貫くことの難しさを描いた。

常に邪悪な取り引きが口を開けて待ち構えて誘惑し、良心を揺さぶろうと迫って来る。

判断を迫られる時、生き方を間違えれば、愛する人間を失ってしまうし、引き返せなくなる。
徳丸

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