なかなか豪華な出演者のみなさん。
そのみなさんがきっちり仕事をなさっていて、壮観です。
アカデミー賞を狙って作ったような、まさに王道をいく作品。
ストレートにわかりやすく命を扱った作品なのですが、
なぜか人間の生と死や、
生きることの意味などに思いを巡らすにはいたりません。
『ソボク』のように強烈に生きることと死ぬことを考えさせられる作品を、
先に見てしまったから…でしょうか。
吉永小百合さんはとても見た目が若いのですが、
親子を演じた田中泯さんとはそんなに年齢は違わないのでは?
親子を演じるほど年の差はないような…。
ちょっと無理があるように感じました。
豪華な出演者の中でも、田中泯さんは光っていました。
いくつかの命を描いているので、ひとつを描くのに使える時間は限られています。
その長くない登場時間の中で、私達観客にその人の人生やバックボーン、
そして苦悩などを理解させるのは簡単ではないと思います。
それでも田中泯さんからは、その苦しさが痛いほど伝わってきました。
複数の命を描くことで、一つひとつが薄まってしまったのかもしれないと思います。
結果として、作品からのメッセージも弱くなったのかも…。