ゆでたまご

いのちの停車場のゆでたまごのレビュー・感想・評価

いのちの停車場(2021年製作の映画)
3.0
なかなか豪華な出演者のみなさん。
そのみなさんがきっちり仕事をなさっていて、壮観です。

アカデミー賞を狙って作ったような、まさに王道をいく作品。

ストレートにわかりやすく命を扱った作品なのですが、
なぜか人間の生と死や、
生きることの意味などに思いを巡らすにはいたりません。

『ソボク』のように強烈に生きることと死ぬことを考えさせられる作品を、
先に見てしまったから…でしょうか。

吉永小百合さんはとても見た目が若いのですが、
親子を演じた田中泯さんとはそんなに年齢は違わないのでは?
親子を演じるほど年の差はないような…。
ちょっと無理があるように感じました。

豪華な出演者の中でも、田中泯さんは光っていました。

いくつかの命を描いているので、ひとつを描くのに使える時間は限られています。

その長くない登場時間の中で、私達観客にその人の人生やバックボーン、
そして苦悩などを理解させるのは簡単ではないと思います。

それでも田中泯さんからは、その苦しさが痛いほど伝わってきました。

複数の命を描くことで、一つひとつが薄まってしまったのかもしれないと思います。
結果として、作品からのメッセージも弱くなったのかも…。
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