このレビューはネタバレを含みます
同い年の吉永小百合と田中泯が
娘と父親というのはさすがにムリはないか。
しかもあの年齢で救命救急の最前線のリーダーって。
なぜ松坂桃李が金沢まで追ってくるのか不明。
この映画は豪華キャストがあふれているが、
とにかくそれぞれの人物像が薄くて、
なぜそこにいるのか、
なぜそう考えるのかがさっぱりわからない。
音楽でカバーしようとして、
かえってドツボにハマってる印象。
安楽死という極限のテーマを扱うにしては
そういうやり方は軽すぎないか。
そして、一番のテーマである、
なぜ娘は父親の安楽死を選択するのかについて、
この映画にはそこに至る葛藤や苦悩、
具体的な行動の積み重ねがほとんど出てこない。
なにより驚いたことに最終的にどうなったのか
わからずに映画は終わるのである。
見る側の想像に委ねる終わり方はよくある。
しかし、このテーマでそれをやるのは
肩透かしであり、弱腰であり、無責任である。
結論を逃げるくらいなら
最初から映画にしなければいい。
安楽死という衝撃的なテーマで金集めて
キャスト集めて客を釣ってるとしたら悲劇。
それとも吉永小百合ならなんでもいいのか。
日本映画、大丈夫か?
そう思わせる作品。