TAMU

#生きているのTAMUのレビュー・感想・評価

#生きている(2020年製作の映画)
3.8
『新感染』が切り開いた韓国ゾンビ映画シリーズの1本。ゾンビが走るとか説明不要になってきたw

ユ・アイン、パク・シネの2人のお気にが主演なのだが、怖いの嫌い、更に本国では大コケ、フィルマークスでも全般的に低評価が目立ち暫し放置していた本作。

鑑賞した結果としては、低評価のご意見も理解しつつも、個人的に大満足w

これは、ユ・アインとパク・シネのファンムービーと言って良いほど、2人の今までにない魅力が詰まってるw

プロットも一部難癖は付けたくなるが秀逸。そもそも、ゾンビが発生したとして、その時に家にいたとして、外に出ようとするかっつーの。
出ないっしょ、出ないよねー、で、出なかったらどうなるか物語。

ある種、イッセー尾形の1人舞台、飲んだ帰りにビルの隙間で立ちションしたら、壁に挟まって出られなくなる大好きなやつがあるのだが、前半はそれに近しい。

ユ・アインの状況を把握して徐々に絶望する、無駄にテンションを上げて踊る、親が恋しくなる、こぼれた水をチューチューする、現実のインスタに見るマッチョナルシストとは違う、全般的にバカ丸出しのユ・アインに感嘆するのが正しい見方w

表現力豊かだし、ユーモアあり、切実さあり。自分も仮にゾンビが外にいたら絶対に外に出ない派なので、引きこもりアインに親近感が湧く。

そしてパク・シネ。今まで見た作品は優等生感ある役が多いのだが、こちらはじゃじゃ馬。
同じく引きこもり、生存者ユ・アインを発見するのだが、ややもすると男性を頼る展開になるのだが、あらゆる意味で自立した女子。

かっくいー女子好きにとってはたまらんw
そして、トランシーバー越しに、各々の部屋でラーメン食べるシーンで自分だけ袋麺を追加して食べるところがメチャ愛しい。そういう余計なことは黙っとくよね♡

仮に世界が破滅してる最中に、生き残ってしまったらどうするあるあるが散りばめられた本作。自分もそうするなー、的な共感もあるのだが、後半の唐突な展開が評価できないところか。

劇団ショーマの名作、住んでるアパートの階下に怪しいボクサーが住んでいる『ボクサァ』の如く、前に踏み出せない2人の会話が愛おしい。それだけに、2人だけの世界を描き切った方が余韻が残ったような気もする。
そうそう。その点でめちゃくちゃ好きな『彼とわたしの漂流日記』もう一度見たくなった!
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