えり

ヤクザと家族 The Familyのえりのネタバレレビュー・内容・結末

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

個人的に邦画のヤクザものの水気の多さ(泣きのシーン)があまり好きではないのですが、本作も御多分に洩れず泣きのシーン、タメのシーンが多く、俳優陣の熱演とは裏腹に中だるみを感じていたというのが正直な感想。特に弟分が殺されたシーン、振り返った綾野剛がそのことに気づく……というところ、せめてあと何秒かカットしてくれや!となってしまい、つくづくヤクザものとは相性が合わないな……と思ってしまいました。
とはいえこの点数はひとえにラストシーンの磯村勇斗の演技によるものです。
14年が経ってからは表情がチンピラそのものだったのが、子供のように涙を流すあのシーン。あれがなければ期待を裏切らない岩松了、さすがの演技力を誇る舘ひろし、北村有起哉に駿河太郎、なにより綾野剛とどこまでも「向こう側」にいた女性を魅力的に演じた尾野真千子を配しても「ちょっと……」となっていたので。個人的には。

市原隼人もどこまでも苦しむ男を熱演しており俳優としては素晴らしかったですが、個人的には題材に(私自身の中で)負けてしまった感じです。

とはいえ、この作品を絶賛する方のお気持ちもわからなくもないんですけども。
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