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ヤクザと家族 The Familyのmoneyのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.0
邦画の常識から逸脱した、世界を見据えている映画だった。

ヤクザを新しい切り口で描いてて、観終わった後それこそ自分の感情の居場所を失う。

映画が進むにつれてスクリーンサイズが変わるのも、あーなるほどねて感じ
三章では画面がスタンダードに変化。かなり窮屈で、まさに現代のヤクザの肩身の狭さ、社会の生きづらさを演出してた。
カメラも最初は手持ちの自由さから、最後はフィックスに変わるのも、「煙」と「ヤクザ」との絡め方も、監督の視覚から伝えるやり口を体感する。
どことなく、最後の方はフランス映画に近い感じがした。色の使い方といい、画角?といい。

一回すごい長回しのシーン(もしかしたら長回し風かもしれない)があったんやけど、あれは何で長回しにしたんやろう。
あ別にいいんやけど、気になった。

しかもずっと重たい?感じではなくて、山本とサキの会話がクスッと笑えるエンタメ性?もある。アドリブらしい、さすが俳優。

最後の綾野剛の超クローズアップは良かった!ああいう、顔にフォーカスしたシーンは個人的に好き。

監督いつかA24で撮りたい!て言うてるし、すごく世界を見据えている作品だなーと感じた。こういう邦画がもっと増えたらいいのになぁ。

追記
ただ、市原隼人のキャスティングにより若干のネタバレ感はあったから、まあ、うん笑
キャスティング別の人でも良かったんちゃうかなぁ、と

あ、あと、あの古典的なオープニング、痺れます。
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